さて、今日もつまらない基礎実験である。でも本人が楽しければよいのだ。
6922全段差動DCDCミニワッターには2SK30Aによる定電流回路があるが、Idss=1.65mAのものを厳密に選別する必要がある。何もそこまでしなくてもIdssの揃った2本で設計すれば良いのだが、他に方法はないか?
ということで、LM334による定電流回路を考えてみる。抵抗1本だけで定電流回路ができてしまうのはLM317と同じだ。
LM334は1V程度の電位差さえあれば定電流にできるスグレモノである。
ところが温度によって電流値が変化してしまう。20℃→80℃で0.2mA程度増加する。
今回の実験回路を上に示す。LM334は手持ちの関係でMetal Canタイプを使った。電源は6VのACアダプター。 データシートを見れば抵抗値から電流が計算できそうなものなのだが、何だか難しいことが書かれていてよくわからない。だから実験するのが確実だ。
温度(Ta=26℃)を一定にして電流と抵抗の関係を調べたら上記のグラフになった。1.65mAにおける抵抗値は大体43Ωくらいである。
実際はシャーシ内の温度上昇によって電流が増えるが、例えば50℃になったとして24℃の温度上昇があると0.08mA増加し1.73mAになる。これによって6922のグリッド電圧は0.72V上昇降下するが、回路に与える影響は微々たるものなので気にしなくてよいだろう。