おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

ボリューム付トランス式DAC・DACキット作成と特性の測定

入手したトランスを、手持ちの測定器を駆使してトランス式DACを作るシリーズ、その2。前回はこちら

 

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秋月のDACキット、AKI.DAC-U2704を入手したので組み上げる。電解コンデンサはキット付属のものとは違う東信のUTWRZ、低ESRのを使う。右下の22Ω1%の抵抗がでかいね。1/4Wじゃなくて1/2Wのを買ってしまった。

 

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部品の取り付けが終わったところ。1/2Wの抵抗は立てて実装。下側の10V1000uFがはみ出している。コンデンサの足を曲げて基板に無理やり押し込んだ。

 

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全体の回路図を示す。赤枠で囲んだのはキットと値が違うところ。

 

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左チャンネルだけバラックを組んで周波数特性を測ってみた。0dBFSは1Vとなった。0dBでの50Hz30Hzからの落ち込みが目立つ。-10dB=0.316Vでは10Hzから真っ直ぐになった。低域は0.3Vでも通れば十分だろう。

 

(2013.8.22追記)

グラフを5Hzからのものと入れ替え。0dBで30Hzから落ち込んでいるのはコアの飽和か。-10dBでもその傾向が見えている。

(追記ここまで)

 

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続いて歪率特性を示す。50Hzでも測定してみた。100Hzは出力が0.4Vを越えるあたりから歪率が悪化している。やはり低音になるほど歪率の悪化が大きいようだ。それでも50Hzを除けば0.25%以内に収まっている。オシレータで測定したトランス単体における50Hz,100Hzの歪率よりこちらが良いのは、DACの出力インピーダンスが低いためと思われる。

 

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トランスの接続は4通りのやり方がある。全ての組み合わせを試してみたが、周波数特性・出力電圧はほぼ同じだった。

 

残留ノイズは(a),(b)より(c),(d)のほうが少なくなり、それは小出力での歪率の違いとなって現れた。なお、(a)〜(d)で位相が反転しないことを確認済み。

 

結局(c)案を採用することにした。残留ノイズはボリューム最大で0.15mVであった。これくらいならLPFのCRを変更する必要はないだろう。