おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

2SK3767のゲート保護用ダイオードD5の働き

掲示板にて以下に述べるダイオードが取り上げられていたので、これをLTspiceでシミュレーションしてみた。

 

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上記の回路図におけるダイオードD5の働きを調べてみよう。これは6N6P全段差動アンプの+B電源部をLTspiceでシミュレーションするために作ったもの。

 

通常動作ではVINよりNODE1のほうの電圧が低いのでD5には電流が流れないが、電源オフ時にC2の電荷を抜く働きをする。

 

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シミュレーション結果を上記に示す。定常状態ではD5には最大約9Vの逆電圧がかかっている。

 

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D5には電源オン直後に約203Vの逆電圧がかかっている(VINとNODE1の電位差、ピンクの線)。

 

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電源オフ前後を拡大したところ。電源オフでNODE1の電圧がVINより高くなりD5に電流が流れ、VINとNODE1の電圧が共に下がっていく。D5の電流(水色の線)は電源オン〜通常動作では流れていないが、電源オフ時に最大26.5mA流れている。

 

以上から、D5に必要なのは少なくとも約203Vに耐えられる逆耐圧(VR)と26.5mAの電流(IF)ということになる。私はいつも電源整流用に1N4007 (1000V1A)を使っているので、D5も1N4007を採用していて問題は起きていない。