某掲示板にて以下に述べるダイオードが取り上げられていたので、これをLTspiceでシミュレーションしてみた。
上記の回路図におけるダイオードD5の働きを調べてみよう。これは6N6P全段差動アンプの+B電源部をLTspiceでシミュレーションするために作ったもの。
通常動作ではVINよりNODE1のほうの電圧が低いのでD5には電流が流れないが、電源オフ時にC2の電荷を抜く働きをする。
シミュレーション結果を上記に示す。定常状態ではD5には最大約9Vの逆電圧がかかっている。
D5には電源オン直後に約203Vの逆電圧がかかっている(VINとNODE1の電位差、ピンクの線)。
電源オフ前後を拡大したところ。電源オフでNODE1の電圧がVINより高くなりD5に電流が流れ、VINとNODE1の電圧が共に下がっていく。D5の電流(水色の線)は電源オン〜通常動作では流れていないが、電源オフ時に最大26.5mA流れている。
以上から、D5に必要なのは少なくとも約203Vに耐えられる逆耐圧(VR)と26.5mAの電流(IF)ということになる。私はいつも電源整流用に1N4007 (1000V1A)を使っているので、D5も1N4007を採用していて問題は起きていない。