前回の続き。
+Bにデジタルマルチメータを接続して電源オン!電圧が予定どおり上昇するのを確認。すぐさま3A5のカソード電圧を測定。ちょっと高め。
続いて各部の電圧を測定。フィラメント電圧が低め。他はだいたい設計どおり。
デジタルマルチメータをAC電圧にしてSP端子に接続、ボリュームを上げてRCAジャックに指を触れ、数値が上昇するのを確認。今回も動作一発OKだ。
オシロ・ミリボルトメータ・オシレータを接続して動作の確認。懸念事項であった残留ノイズは0.16mV位で十分低い。
諸特性を測定。なにしろ最大出力100mWだから出力をどれくらいで各項目を測定しようか迷う。半分の50mWかな?ということで、0.632V・8Ωを基準にする。
利得は20倍あって十分。NFBを6dBかけても10倍(20dB)だ。DFは1.2あるからNFBをかければ大丈夫。
消費電力は10W。出力はミニだが消費電力もミニだ。
フィラメント電圧が低めなのが気になる。実験では3A5を1本で測定していたが、2本ではトランスの端子電圧が低めとなり、NJM317の発熱量の差でVref電圧が変動してしまうらしい。
そこで電流設定用の抵抗を5.6//680=5.55Ωから5.6//220=5.46Ωに変更してフィラメント電圧がほぼ1.4Vとなるようにした。
回路図にAC100V換算の測定値を記入した。3A5のバイアスが深めでIpが流れやすいため、+B電圧が低くなっている。
さて、動作に問題が見られないため、NFB無しだが試聴してみた。
透明感があってスケール感もちゃんと出ている。予想どおりニアフィールド試聴環境ではたかだか100mWのアンプでも音量は十分だ。せいぜいボーカル専用と割りきっていたが良いほうへ裏切られた。
3A5に触ってみてもほんのり暖かいだけで、電源トランスのほうが発熱している。もちろんNJM317の放熱板は熱くなっている。シャーシの温度はあまり変わらない。
MT管を使った真空管アンプなのにほとんど熱くならないし、聴感上の音量は十分なので妙な感覚。しかも私の駄耳では音質も帯域感も十分ときている。