おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

3A5パラシングルアンプ・特性測定

なんでプッシュプルでなくてパラシングルなのか書いてなかったので、ここに書いておく。結論からいうと、シングルでも自分の聴くジャンルの音楽を再生するのに問題ないから。プッシュプルで低域に違いを感じることはあるけれど、シングルでも不満を感じないから大丈夫だと思っている。

 

特性で音を語る人はさようなら。音楽でなくて音で語る人もさようなら。私のアンプ作りはあくまで音楽を聴くための道具であると割り切っているし、作るなら道具以上の何か魅力的な品質を作りこみたい。

 

大層なことを書いてみたけど、たいしたことやってないよ(笑)。さて、3A5パラシングルアンプにNFBをかけることにした。6dB程度と決めてNFB抵抗の値を調べると1.156KΩ。一番近いのは1.2KΩか。

 

オシロで方形波観測したらリンギングが出たので、1200pFの位相補正コンデンサを入れた。あまりリンギングを潰すと聴感上、高域がくぐもったような感じになるので、リンギングを意図的に残してある。

 

いつもアンプが動作したら特性を取るようにしているが、いわば健康診断であって特性で音がわかるわけではない。出力100mWという小出力のアンプに対して真面目に特性を調べている人はいないだろうから、あえて詳細に調べてみる。

 

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特性は上記のようになった。NFBは5.6dB。周波数特性は高域が40KHzまで伸びた。ダンピングファクタは3.0まで上昇。残留ノイズは0.08mVまで下がった。

 

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無帰還での周波数特性。かまぼこだが高域が素直に落ちている。もともと狭帯域の出力トランスだからバランスが取れているように思う。

 

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NFBをかけた時の周波数特性。あいかわらず狭帯域だが素直な特性。50mWで調べているが、低域は20Hzでも-1.9dBに留まっている。

 

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クロストーク特性。低域ですこし上昇が見られるが、20Hz〜20KHzで-63dB以下となっている。高域での上昇もゆるやか。

 

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Lchの歪率特性。100Hzだけ悪めになっている。5%歪みでの出力は90mWだが、1KHzでは110mW出ている。

 

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Rchの歪率特性。こちらのほうは各周波数が綺麗にそろっている。Lchと同様、5%歪みでの出力は90mWだが、1KHzでは110mW出ている。

 

歪率特性が左右chで異なるのはたぶん3A5の特性バラツキなのだろう。でも歪率特性でタマを選別したくないし、聴感で違いがわかろうはずもないので気にしなくても良い気がする。

 

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じつは上記2つの特性を取る前、Rchの歪率特性を調べたら妙なカーブになったので3A5を交換した。このうねるようなカーブは何がどうなるとこんなになるのだろうか?

 

試聴した感じは、NFBをかけても基本的に透明度が高くスケール感があるという印象は変わらない。

 

もうしばらく聴きこんでみるとするか。なにせ消費電力10Wだから聞き流していても気にならないし。