おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

トランジスタ式ミニワッター・完成

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特性の測定結果は問題なかったので、これでいちおう完成としよう。気になる点が出てきたら音質のチューニングを行うつもり。詳細な特性測定結果はこちら

 

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正面から見たところ。照光式プッシュスイッチとボリュームのみのシンプルなフロントフェイス。スイッチの購入サイトはこちら。LEDはリング状に緑色に光るが、私は乱視のため何重にもずれて見えるのが難点かな。

 

ケースにはタカチのCH7-25-17GSPを使った。エスエス無線で税込み4,180円(2014年11月現在)。各パネルが分離するので、穴開けや組み立てはやりやすい。ただパネルがアルマイト処理されているので接触させただけでは導通しない。私はリューターでネジ止めするところを削って対策した。サイドパネルはアルミダイカストで粉体塗装がしてあり、アース用のネジが付属している。

 

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後ろから見たところ。RCA入力端子、バナナ専用SP端子、ACインレットとやっぱりシンプル。

 

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内部。電源部はICB基板、アンプ部は平ラグ基板。アンプ部が平ラグ基板なのは老眼対策と、今後の改造に備えてやりやすくしてあるため。

 

電源オン時のポップノイズはボッという小さい音がするが問題ない。また、電源オフ時は無音だ。

 

発熱量は、約1時間鳴らして室温20℃における天板の温度は30℃だった。盛夏に使用したとして、仮に室温が35℃だったら天板の温度は45℃となり、内部は50℃くらいだろうから大丈夫と思う。たぶんケースに放熱穴を開けなくてもいけるのではないか。

 

私が製作する真空管アンプの利得は10倍以上あるものが多く、このアンプは5.9倍だから低め。比較試聴するにはボリュームを回して対応する必要がある。

 

出力が0.7V前後の携帯プレーヤーをつないでクラシックを聴くような場合は、利得が不足してボリュームをいっぱいに上げても音量が不足するかもしれない。

 

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本家のミニワッターには最大+6dBくらいのバスブーストがあり、バスブーストの抵抗は15KΩなので、NFB抵抗R5を12KΩから27KΩにすれば利得が11.8倍くらいになると思う。

 

また、もっと出力が欲しいという人には、電源電圧は「15Vを最適値として、14V〜16Vの範囲の電源電圧に合わせて設計」とあるので、回路図のR18・R20を1.2KΩから1.3KΩに変更すると電源電圧が±8Vになるのでわずかではあるが出力を増やすことが可能だ。

 

2014年11月15日(土)に三土会へ持ち込み、18人の前でこのアンプを聴いてもらった。入力はPC〜トランス式USBDAC、スピーカーは三土会のものを使用。結果は良い音が出ているということで評判が良かったみたい。

 

私より耳の良い!?妻の試聴結果

・解像度が良くてクリーンな感じがする

・中高音がきれいに出ている

・最低音があまい、あまり鳴ってない感じがする

・歯切れはいい、臨場感が出る

・秋晴れみたいな爽やかな感じがする

 

低音があまり出ていないというのは、レギュレータの出力に入れたコンデンサ1000μFが足らないせいかもしれない。1000μFという値はこんなもんで十分だろう、増量すると電源オン時にレギュレータの保護回路が働くかもしれないと考えたから。

 

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レギュレータの出力に4700μF10Vを追加してみた。結果は、レギュレータICの保護回路は働かず正常に電圧が出力された。電源オフ時にLEDの消灯がゆっくりになった。

 

変更後に再び妻に聴いてもらった。音域が広がり低音が出るようになったという感想を得た。このコンデンサは信号ループに入っているから、聴感にかなり効いてくるんだね。

 

オスカー・ピーターソンのアルバム"WE GET REQUESTS"中の"You Look Good To Me"で口ずさんでいるのが聞こえるよほら、と言われた時にはびっくりしたな。音源のお持ちの方は確認してみてほしい。