おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6SN7全段差動アンプ・改造その1

最近よく聴いている6J6パラプッシュプルアンプに比べて、6SN7全段差動アンプはスケール感が足らないような気がする。特に低音の迫力がちがう。

 

6J6パラプッシュプルアンプはスーパーチャージ・ドライブシステム(自称)を採用しているが、6J6のドライブが2SC1815によるエミッタフォロアとなっている。もしかしたらその効果によるものかもしれない。なんとか6SN7全段差動アンプもエミッタフォロア付きに改造できないものだろうか。

 

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これが現状の回路図。エミッタフォロア付きにし、かつ出力管のグリッド電流に耐えるようにするためにはツェナー一発による電源供給では無理で、専用の電源にする必要があるらしい。

 

このアンプは+B電圧が286Vと高く、そこから供給するために電圧を32.5V程度まで落とすには約2ワットの電力を消費させなければならない。

 

ただ発熱させるだけではナンセンスなので他の方法を考えた。電源トランスPMC-95Mには6.3V巻線が2つ用意されているので、それで電圧を作ってみよう。

 

直列につないでAC12.6Vを半波倍電圧整流すると33V程度になる。殆ど無負荷なのでトランスの端子電圧が高めになることを考慮してもギリギリだ。AC6.3Vを半波4倍圧整流しても同様に33V程度となる。やはりギリギリ。

 

ではAC12.6Vを半波3倍圧整流すると50V程度になる。電圧が高すぎるが、32.5Vに落とすためには約0.14Wの電力消費で良い。これでいくか。

 

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どうもCRパラメータをどのくらいにフィッティングしたらよいかわからないので、シミュレーションに頼ることにした。LTspiceででっち上げた回路図を上記に示す。ツェナーは適当なものを組み合わせて36Vとなるようにした。FETは2SK3067でVdssが600Vもあるが、パワーMOSFETはこれくらいしか思いつかないので使ってみた。

 

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結果を上記に示す。VINは約50V、VOUTは33.1Vで電源オンから8秒で定常状態になる。ツェナーの電流は1.2mA、FETのPdは0.13W、VOUTの残留リプルは0.05mVrmsとなった。残留リプルはどれくらいを目標にしたらよいのかわからないので、これくらいなら大丈夫という値にした。

 

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変更後の回路図を上記に示す。2SK3067は最後のを使ってしまったらしく、見つからないので2SK3566にした。Vdssが900Vもあるシロモノだが、手持ちの関係で仕方ないだろう。Vgsは3Vくらいと予想し、18Vのツェナーを2本としてある。1N4746Aは使ったことがないので、1.2mAでどれくらいの電圧になるかわからないので出たとこ勝負、+B1が32.5Vより上下したら何か対策を考えるつもり。