じつはヤフオクでマッチングトランスを落札してしまった。これはTPA600Ω:600Ωとでも呼ぶのかしらん? おそらくTpAs-202の前身ではなかろうか。
端子に(+)(-)の表記がしてあり何だかよくわからないが、巻き始めの表示なのだろうか。1-2-3側が1次なのか4-5-6側が1次なのか、どちらも600Ωなのでどっちでも良いのだろう。
TpAs-202は1次600ΩCT付、2次600ΩCT付で最大使用レベルが5dBmとなっている。TpAs-203でDACを製作した時に測った特性は2Vで20Hzをレベルダウンせずにクリアしていたから、こいつもそうに違いない。
周波数特性を調べてみた。1次はオシレータで出力インピーダンスは600Ω。トランスの2次側に620Ωの抵抗を接続して測定した。低域は15Hzからまっすぐで高域はなだらかに落ちている。
トランス式microSDプレーヤーの基板をこのトランスを使ったものに交換してみることにした。さっそく組み上げたのが上記の画像。カップリングコンデンサをフリスクMP3基板からこちらに引っ越した。半固定抵抗を330Ωに合わせてから組み込んだ。
カップリングコンデンサであるC10・C11のチップコンデンサは除去してハンダでショート。なかなかブリッジにならないのでハンダがてんこ盛りになってしまったけどいいのだ。同様にR13・R15も除去してハンダでショートさせた。
換装が完了したプレーヤー内部。
LCによるLPFとマッチングトランスの回路図を上記に示す。マッチングトランスは150Ω:600Ωとして使うため、1次側を2-3間としたが1-2間を使う手もある。C10・C11は1000μFを境に急にサイズが大きくなるので1000μFとした。
さっそく特性を測定してみた。デフォルト出力電圧は1KHzで0.306V。最大出力電圧は1.76Vだった。LCフィルタの損失を含むトランスの昇圧比は1:1.53と低め。残留ノイズは両チャンネル共に20μV前後で変動している。
周波数特性。歪む前(1.28V)での15Hz以下はコアの飽和によるもので、20Hzはクリアしている。デフォルト出力では5Hzでもあまりレベル低下が見られない。5Hz付近でLC共振による影響がすこし見えるかなあ?これくらいなら問題ないと思うけど。
歪率特性。100Hzでの歪率悪化が見られない。LPFを入れないで測定しているから、DACチップ?自体の歪率はもっと低いだろう。
短時間だけ試聴してみた。NECトランスで見られた低域のモヤモヤが取れて締まった感じ。音場の前後感がよく表現されていると思う。
これをタカチのLC型ハンドタイププラスチックケースに入れてみたい気がする。実際はパーツが収まりきれなくて苦労するかもしれない。
本日(2015.01.17)は三土会があってこれを持って行って発表してきた。その時に気になったのが、何の曲がかかっているかアンプを通して鳴らさないとわからない事。このフリスクMP3のヘッドホン端子はカップリングコンデンサを取ってしまったのでDCが出ていてイヤホンで聴けない。LCフィルタを通した後に、別にヘッドホン端子を設け、スイッチで切り替わるようにしてやればモニターできるのではないだろうか。