バラックでの特性が十分であることがわかったので、トランス式microSDプレーヤーとして製作することにした。パーツは手持ちのものを組み合わせて、なるべく安く作るという方針で行った。
100円ショップでおかず入れ?を購入。電池ボックス・ICB基板・スイッチや出力端子・ボリュームなどを現物合わせで穴開けして配置。ポリプロピレンだから加工は容易。
LCフィルタとマッチングトランスを基板上に組み込んだ。本当はLCフィルタを立ラグにしようと思ったのだが(そのほうが改造が容易)、ケースが思いのほか狭いので基板上に並べた。
フリスクMP3に追加した回路を上記に示す。半固定抵抗は330Ωとしてある。
もともとはフタ部分を下にする予定だったが、再生時や停止時にLEDが光ることもあり、このようにしている。デザインより内部のパーツ配置を優先しているからこうなった。
電源スイッチはモバイルを考えるとトグルスイッチではなくてプッシュスイッチのほうが良いかな。スライドスイッチやロッカースイッチだと取り付け穴の加工が難しいし。
組み立てが完了したケース内部。基板への配線のハンダ付けが弱く、力がかかると外れてしまう。追加した電解コンデンサも足が外れそう。ボンドか何かで固めたほうが良さそうだが、今後の改造ができなくなる。
充電池を外すには電源スイッチをいったん外さないとできなくなってしまった。単4にするか、ACアダプターによる外部電源供給にすれば良いが、携帯性を考えるとやはり電池のほうが良い。
特性を調べてみた。電源オン時のデフォルト出力電圧は0.35V、最大で2.0V。残留ノイズはLchが34μV、Rchが23μVだった。ケースが金属ではないのでノイズに対して弱いが、スピーカーで聴くなら問題ない。
周波数特性。バラック実験と同じ。やはり1.44V出力となると、低域でコアが飽和してしまいレベルが低下する。歪率もそうとう悪くなっているので、せいぜいデフォルト出力である0.35V程度で使うのが望ましい。
デフォルト出力での歪率特性。LPF無しで0.1%台に収まっている。
歪む手前、出力1.44Vでの歪率特性。10KHzを除いて0.1%未満だから十分だろう。
さて、microSDに曲を入れて試聴してみた。やはり低域が甘いかな、と感じるところはある。音質はフリスクMP3というよりマッチングトランスに依存しているようだ。ヘッドマージンの大きいマッチングトランスで試してみたいところ。
私の駄耳による試聴では、低域を除けばPC+TpAs-203版トランス式USB DACと同等のレベルの音が出ているように思う。
先日行われたソフトン新春OFF会では高評価を頂いた。ハイレゾではないけど、かなりいい線を行っているみたい。