おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

45シングルアンプのA2級化・その5

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特性を測定している時もそうだったけど、何やらニオイがする。電源を入れている時だけだから、何かが熱せられてそのニオイを発しているに違いない。ただ、どこが臭っているかは特定できなかった。試聴しているとそっちがどうしても気になって、落ち着いて聴くことができない。

 

ずっと臭っていたら、きっとアンプをしまい込んで使わないと思う。それくらい気になるニオイ。どんなニオイなのか。それは抵抗や半導体のモールドが焼けるニオイとは違う。このニオイ、以前嗅いだことがあるぞ、と思ったら、チューナーKT-4700のケースを開けた時のニオイと同じことに気がついた。

 

よくわからないけど、電源を入れてしばらく放っておいたら臭わなくなるのだろうか。改造前はこんなニオイはしなかったから、きっと今回使ったパーツにそのニオイを発するものがあるのかもしれない。

 

さて、特性を測定した結果を以降に記す。

 

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無帰還での周波数特性は予想通りカマボコ。低域のレベル低下が早いのは以前の実験でわかっていたこと。たぶんOPTのインダクタンスが低いせいではなかろうか。

 

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裸利得は31倍。NFBをかけてみた。手持ちの関係で1.6KΩ。NFBは6.5dBかかった。

 

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周波数特性はNFBをかけてもやはり低域が伸びない。高域が持ち上がらなかったので、今回は位相補償容量を入れていない。

 

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クロストーク特性は低域が悪化気味。20Hz〜20KHzで-68dB以上だから十分とは思う。

 

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歪率特性は1KHz・10KHzに関しては歪率5%で3Wも出ている。OPTの1次インピーダンスを5KΩにした以前の実験でも2Wは出ていなかったから、A2級に改造した甲斐があったというもの。ただ110Hzはあまり良くなく2.5Wという結果に。

 

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Rchの歪率特性。こちらは最低歪率がLchよりも高く、0.08%くらい。

 

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現状の回路図を上記に示す。C3は入れていない。

 

試聴してみると、カマボコの周波数特性とは裏腹に低音はちゃんと出ているように感じるから不思議。むしろ出すぎてボリュームを絞らないといけないくらい。中高域の透明感はそのままだ。

 

今回はA2級をテーマに改造を行ったわけだけど、出力管のIpを増やさないと適した動作にならないこともあって45を1本ダメにしてしまった。エミ減となった45を見ると、フィラメントのコーティングが剥がれて管壁に付着しており過酷な動作を強いられたことがわかる。古典的な直熱管では最大許容プレート損失を守っても電流を欲張るといけないことを学んだ。

 

いずれは71AシングルアンプもA2級化しようかと考えていたが、71Aのロングライフを考慮すると、むやみにIpを増やすのは避けなければならないし、A2級化は軽い動作に留めておくのが良いと思う。