おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

71AシングルアンプのA2級化・その2

今回は実際の改造と初期評価。

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アンプ部の平ラグ基板を取り外したところ。気づいたのが、このアンプを製作していた2011年に比べ線材がだんだん細くなってきていること。この頃はAWG20をふんだんに使っていたが、最近はAWG24が多い。AWG22でも太いと感じるくらい。電流が少ないところはUL1007のAWG24でOKなんだよね。一番流れるフィラメント配線でも0.25Aだから。

 

立ラグを止めるためのネジがOPTと共締めになっており、トランスカバーを外さないとネジが緩められなかった。M4のネジだと立ラグの穴が入らないので、ヤスリで広げた。

 

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6Pの平ラグにパーツを取り付けたアンプ部基板。裏にコバンザメのようにひっついている抵抗は、リードをエンパイアチューブで保護しておいたほうが良かったかな、というところ。

 

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RSコンポーネンツから届いた180V5Wのツェナーダイオード、1N5386BRLG。最低発注個数が50個となっていたから仕方がない。1本15円なんだけど。

 

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改造が完了したシャーシ内部。破綻なく収まった。今回は改造個所を極力少なくしたので、そんなに時間がかかっていない。

 

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配線チェック後に電源投入。この時は真空管を挿さないでおく。71Aのグリッド電圧が71.6Vとなるように初段のVR1を調整。これを怠って71Aを挿して電源投入すると、いきなりドカンと71Aに電流が流れて劣化させてしまう恐れがある。本家の71Aシングルミニワッターにはこの注意点が書かれていないようので強調しておく。

 

電源をオフにして+Bのコンデンサに溜まった電荷を放電させる。71Aを挿して再び電源オン。カソード電圧をチェック。おそらく111Vより低いはず。真空管を挿さないと+Bが高くなり、ツェナーの電流が増えて+B1が上昇、グリッド電圧が設計より高くなるため。高めで71.6Vに調整されているので+Bが下がったときに+B1も下がるわけ。従ってカソード電圧も低くなる。

 

グリッド電圧よりもカソード電圧のほうを優先させる。バイアスが浅い71Aの場合、Ipが流れすぎてしまうため。

 

回路の電圧は先に示した回路図のようになった。+B電圧はAC100V換算で284VとなったのでR8は39KΩのままとした。

 

オシロで波形チェック。サイン波の上のほうが先にクリップする。Ipを増やせばクリップは改善されるが、71Aがかわいそうなので増やさないでおく。

 

クリップ前の出力は1KHzで0.8Wくらい。100Hzのほうが波形がクリップするのが早い。やはりA2級化しても低域では出力が伸びない。

 

裸利得は両チャンネルともに26倍くらい。これならNFBをかけても利得は十分。

 

次回はNFBをかけることと、詳細な特性測定を予定。