おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

SG-205シングルアンプ・改造その1

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初段エミッタフォロア追加による出力管のA2級化は今まで3台のアンプに改造を施してきたが、他のアンプにも適用できないものだろうか。

 

SG-205シングルアンプは、初段がFET-Trカスコード回路となっている。これにTrのエミッタフォロアを追加できないか。

 

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試しにLTspiceを用いてシミュレーションをしてみることにした。J1とQ1からなるカスコードにQ2のエミッタフォロアを追加。

 

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シミュレーション結果を上記に示す。とりあえず動いているみたい。

 

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ついでにグリッド電流の擬似シミュレーションをしてみた。C2でDCをカット、D1でプラス電圧のみ電流を流し、R4で電流値を調整する。

 

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V3を定電圧化すれば、かなりのグリッド電流に耐えるようだ。

 

実際の回路に適用するにあたり、エミッタフォロアのTrは高耐圧であることが必要、hFEが高いほうが良いらしい。Icを1mA流すと出力インピーダンスは理論的には約30Ωとなるそうだ。

 

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初段の回路を上記に示す。Q2は2SC3790を採用。Vceoは300V、hFEはEランクを入手したので100〜200となっている。初段には3mA流れる。

 

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初段系への電圧供給をどうするか考えてみた。+B1のツェナー、1N5380BRLGには差し引き3.54mA流れている。

 

SG-205にグリッド電流が流れた場合、約1.5mA×2までは+B1がへたることはない。このグリッド電流はテキトウな値で、さらに余裕をみた場合、R1やツェナーの消費電力が増えてしまう。

 

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回路図は上記のようになった。2SK117には元々発振止めのゲート抵抗が入っておらず、入力に47pFのコンデンサが入っていたのを変更。SG-205はA2級動作を考えてIpを増やし、グリッドバイアスを浅くして最適化。

 

SG-205シングルアンプは、ソフトン新春OFF会への参加を予定しているのでその前に改造を終わらせる必要がある。元日早々ハンダゴテを握って改造に取りかかった。

 

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まず2SC3790の選別。hFEの高いNo.1とNo.10を選んだ。

 

+B電源基板に+B1回路を追加する。R12の30KΩは消費電力が3.2Wと大きいので10KΩの3個直列とし、基板とは別に立ラグへ取り付けた。

 

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改造したアンプ部平ラグ基板。基板を再利用したのでラグにハンダが広がっている。

 

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1日かかって改造が完了したアンプ内部。中央上が+B電源基板で、左上に追加したR12がある。あり合わせの抵抗を使ったので、後日ちゃんとした抵抗に交換する予定。

 

動作確認は次回。