おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

SG-205シングルアンプ・改造その2

配線チェックは改造個所を重点的に行なった。電源オン後にはSG-205のカソード電圧と+B電圧をすばやくチェック。続いて各部の電圧を測定して問題ないことを確認。

 

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回路図を再掲。SG-205をA2級動作のためIpを増やし、グリッドバイアスを浅くしている。Eb=354V、Ip=37mAでPpは13.1Wとなり、最大定格である14Wの93.6%に収まっている。

 

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詳細な特性を測定した。周波数特性はより広帯域に、出力は1.6Wが2.7Wに、利得は微増。残留ノイズはわずかに増えた。消費電力は46Wから54Wに増えたが、ほとんどがSG-205のIp増加分によるもの。

 

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周波数特性。

 

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改造前後の周波数特性を比較。高域と低域のレベルが上がっている。

 

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クロストーク特性。+B1を左右チャンネルで共用としたが、心配したクロストークの悪化は無いようだ。

 

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Lchの歪率特性。オーディオアナライザVP-7721Aで測定。歪率5%の出力は100Hzがリミットして2.7Wだが、1KHz・10KHzに関しては3.1W出ている。

 

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改造前後の1KHzにおける歪率特性。WaveGene+WaveSpectraで測定。SG-205の動作点変更でカーブの形が変わったが、A2級となる1W以上で差がでている。改造前はクリップで折れ曲がっているが、改造後はそのまま伸びている。

 

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Rchの歪率特性。歪率5%の出力はLchと同様2.7Wだが、1KHz・10KHzに関しては3.1W出ている。

 

エミッタフォロア追加による出力アップは、古典球であるSG-205のような、グリッド電圧がプラスで使えるタマではかなり有効ということがわかった。

 

試聴してみても周波数特性の広帯域化とスケール感のアップは顕著で、元々小出力であるシングルアンプには相性が良いと思う。