フト思い立ってOPTのインピーダンスを変更してみた。8KΩ:8Ωなのを、2次側の4Ω端子に8Ωをつなぎ、16KΩ:8Ωとして使う。
3A5のロードラインは、差動アンプなので2管直列となり1管あたり4KΩ、3管並列なので12KΩ相当であったが、今回の変更で24KΩとなる。ロードラインが寝るのでEb高め、Ip低めがフィットする。具体的には+BのDC-DC出力電圧を上げ、3A5のカソード抵抗を高くする。
3A5の規格上Ep maxは135V、Ip maxは5mA、Pp maxは0.5Wなので、Ep*Ip=0.675WとなりPp maxをオーバーしてしまう。Ipを5mAとするとEpは100Vまでしか上げられない。だからIpを減らせばEpを上げることができる。
変更した回路図を上記に示す。OPTの2次側を4Ωにし、SP端子には8Ωのダミーロードをつなぐ。R10はフィッティングの結果680Ωから820Ωへ変更。+B電圧は121Vから134Vに上げた。
3A5はEb=110V、Ip=4.5mA、Pp=0.495Wで規格内に収まっている。
諸特性を上記に示す。裸利得は17.7倍と、変更前の20.6倍に対して低下。これは主にOPTの変圧比が変わったため。NFBは2.8dBと軽くかけてみた。DFは3.6と十分な値。
周波数特性。NFB無しの状態で-3dB点は73KHzだったが、NFBをかけたら113KHzまで伸びた。変更してもOPTのインダクタンスは一緒なので低域の低下が心配だったが杞憂だったみたい。
歪率特性。相変わらずうねっているが、歪率5%での出力は1.0Wと目標達成。ただ3A5の動作点がロードラインの右下へ移動しているので最低歪率は上昇ぎみ。