このところ真空管アンプの話題ばかりだったので、たまには違う話題でも。
ギターの開放弦の音階と周波数について、WaveSpectraで周波数スペクトル分析をしたらどうなるのかな?と思ったのでやってみることにした。
我が家にある普通のクラシックギター。何か違和感あり?
直しといた。って左右反転しただけ。
じつは、私は左利きで弦を逆に張ってある。むかし(約15年以上前)にギターを手に入れ、普通に弦を張って練習したらストロークがうまくできず、そのうちコードを押さえる左手が腱鞘炎になってしまった。そこで逆に持ち替えることにしたというわけ。
素質や感性がある人なら始めてから3日でできそうな簡単なコードやアルペジオが未だにできないヘッポコギターなのは事実。1年くらい放っておいてはまた取り出して鳴らし、また放り出しで現在にいたる。
さて、ギターのチューニングはノーマルではこんなふうになっている。
なんか、低くない?
6弦 E 82.41Hz
5弦 A 110Hz
4弦 D 146.83Hz
3弦 G 195.99Hz
2弦 B 246.94Hz
1弦 E 329.63Hz
今回の実験ではそれなりにチューニングしたけど、厳密には合わせてないのでその点はご容赦。チューナーはYAMAHAのYT-3000を使用。
開放弦で6弦から順番に1弦まで鳴らし、PCMレコーダーで録音したWAVファイルをWaveSpectraのピークホールドのみで再生した。PCMレコーダーはサウンドホールから20cmくらいの距離で録音。
6弦 E 82.41Hz。なんと基音より倍音のほうのレベルが高い。それで1オクターブ上のEの音が聞こえるというわけ。当然チューニングはE 164.81Hzで行っている。チューナーのオクターブインジケーターは"-2 E"。
なお、50Hzくらいから下の周波数は暗騒音なので無視して欲しい。
5弦 A 110Hz。なんとか基音の面目を保っている。とはいえ、A 220Hzでチューニングするし、その音階が耳には聞こえる。チューナーのオクターブインジケーターは"-2 A"。
4弦 D 146.83Hz。チューニングはD 293.66Hz。チューナーのオクターブインジケーターは"-1 D"。
3弦 G 195.99Hz。レベルが逆転して倍音のG 392Hzのほうが高い。基音より低いところにあるピークはボディの共鳴か低音弦が共振して音が出ているのだと思う。チューニングはG 391.99Hz。チューナーのオクターブインジケーターは"-1 G"。
2弦 B 246.94Hz。また逆転して基音のレベルのほうが高くなった。チューニングはB 493.88Hz。チューナーのオクターブインジケーターは"-1 B"。
1弦 E 329.62Hz。弱く弾いたせいか全体のレベルが低くなった。基音のレベルが低く、倍音以上のレベルが高い。チューニングはE 659.25Hz。チューナーのオクターブインジケーターは"M E"。
ギターの開放弦の周波数は82.41Hz〜329.62Hz。にもかかわらずチューニングは倍音で行われている。ギターをお持ちの方は、それぞれの開放弦の音をよく聞いて欲しい。基音は殆ど聞き分けできず、倍音しか出ていないように感じる。
即ちギターをはじめとする弦楽器はほとんどが倍音を聞いているということになりそう? シングルアンプとプッシュプルアンプは倍音がどーのと言われる御仁がおられるけど、弦楽器の音階自体が倍音で聞こえるとするとなんだかわけがわからなくなるような?