おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

4P1Lプッシュプルアンプ・壊れた!

それは残留ノイズの確認をしようとしている時だった。ロングピンソケットをピンセットで差し込んでいる時に、誤って+BをGNDとショートさせてしまった。

 

パチン!という鋭い音がして、すべてが終わった。ロッカースイッチのネオンランプが点いていない。ヒューズが飛んだようだ。

 

ヒューズの溶断で回路が守られたかな、といういちるの思いで交換する。電源を入れると、ちゃんと動いているっぽい。ちなみに良い子はマネをしないように。

 

ところが+B電圧を測ったら315Vくらい出ている。あわてて電源を落とす。

 

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+Bの電源回路を上記に示す。壊すことはなかろうと保護回路を入れていない。M1(2SK3566)のドレイン〜ソース間の抵抗を測ったら0Ω。ショートしてしまっている。過電流でオープンになるんじゃなくて、ショートするんだ。

 

電源回路の全てのダイオードをDMMでVTチェック。ちゃんと電圧が出るので壊れていないようだ。ツェナーダイオードも同様に確認。Q3(2SC3790)もチェックしたが周辺回路のせいでよくわからなかった。

 

M1を手持ちのと交換。これを壊したら予備が無くなってしまう。再び電源を入れて+B電圧を監視する。だんだん上昇して260V弱で止まった。いかん、Q3がやっぱり壊れている。

 

Q3のエミッタとベース電圧を確認する。同じ電圧が出ている。Q3も逝ってしまっていた。Q3を交換。これでもう大丈夫じゃないかなあ?

 

電源を入れると+B電圧は次第に上昇して270V程度になった。電源回路の各部の電圧を確認、問題なし。そのまましばらく待って、VR2で+B電圧を273Vに調整する。

 

測定器を接続してアンプの動作を確認、問題なし。これにてトラブルシューティング完了。

 

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壊れたFETとトランジスタ、溶断したヒューズ。ヒューズの飛び方から、かなり電流が流れたことがわかる。 で、冒頭の残留ノイズ解析の内容をすこしだけ。

 

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上記画像は当初のGND配線。アンプ部基板のGNDを下側からアース母線へ接続している。シールド線のFETゲート側はGNDに接続していない。いちおうGNDループにはなっていないのだが…。

 

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変更後のGND配線。アンプ部基板のGNDを上側からGND母線へ接続しなおした。これで残留ノイズの値が半減した。

 

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