現状の回路では、6.2dBのNFBをかけた状態での利得は16.9倍あり、これではボリュームを上げるとすぐに音が大きくなる、いわゆるドッカンボリュームに近い。そこで利得を下げるべく回路変更してみた。
利得を下げるには初段カスコードの負荷抵抗を減らすのが簡単だと思う。回路図の赤線で囲った抵抗が変更したところ。R5とR6は56KΩから43KΩへ、R16は12KΩから27KΩにした。R16の変更はカスコード段の電圧を適正化するため。
無帰還での利得は34.8倍から27.8倍になった。NFBは手持ちの抵抗の関係で1.8KΩとし6.4dB。総合利得は16.9倍から13.3倍となり使いやすい利得になったと思う。初段の利得が減ったせいか、残留ノイズが減って0.37mVから0.32mVとなった。
無帰還時の周波数特性。高域のレベルが回路変更前に比べてごくわずか上昇。
6.4dBのNFBをかけたらやはり70KHzあたりにわずかな盛り上がりができた。
220pFの位相補償容量をNFB抵抗と並列にした。これで盛り上がりが無くなった。
回路変更前後の周波数特性。殆ど変わりないといって良い。
歪率特性は、NFBが6.2dBから6.4dBになったせいか最低歪率が下がった。歪率5%での出力は8Wと、回路変更前と同じだった。
結果は、回路変更しても特性に悪化は見られなかった。この回路定数でいくことにする。