姉妹拙ブログに記載したけど、本ブログに詳細をまとめてみた。
ヤフオクで入手したZENITH45はルーズベースを修理した跡が見受けられるので、ノズルの先から液状の接着剤を流し込んだと考え、まずは瞬間接着剤の剥がし液で試してみることにした。
ガラスと袴の間に剥がし液を塗って約5分放置、剥がし液を拭きとって袴をこじるのを2回繰り返したら、ルーズベースにすることに成功。
袴を外すためにピンのハンダをSPPONやハンダ吸い取り線で除去しようとしたがうまく取れない。そこでピンに追いハンダをし、順繰りにこて先で溶かしていくのを繰り返したらスポッと袴が抜けた。
ペイントうすめ液で瞬間接着剤(らしきもの)を除去。その際袴に補修跡を見つけた。何やら棒ヤスリのようなもので表面をヤスリ、跡を消すために油性ペンか何かで塗ったようだ。もしかしたら異臭の原因はこっちだったのかもしれない。
ヤスリの跡はペーパーで削って落とし、コンパウンドで磨いて見た目は元と変わらなくなった。 袴とガラスを再びくっつけるのはどんな接着剤が良いか。高温に耐えて弾性を保つものが良いと判断。自宅にあったセメダイン スーパーX2でやってみることにした。これは120℃まで保証されている。
接着剤を袴内部とガラスの両方に塗ってくっつける。足ピンに引き出し線をハンダ付けする。これで完了、と思ったのだが…。
念のためテスターでフィラメントの導通を調べてみると、無い。おかしいと思ってテスター棒を当ててみるとフィラメント①とグリッド③で導通あり。げげっ、間違えた!
慌ててピンのハンダを順繰りに溶かして袴を抜いた。引き出し線がちぎれなかったのは幸いだった。接着剤が固まる前に気づいて良かった〜。 いつの間にか引き出し線の位置が変わり、違うピンに線を差し込んでしまったらしい。テスターでフィラメントの引き出し線を確認する。さすがにプレートとグリッドは間違えないよな(だって線が交差してしまうから)。
再び接着剤をペイントうすめ液で除去。部屋が臭くなって頭がヘンになりそうだ。引き出し線を正しいピンの位置に差し込んで袴とガラスを接着する。
すこし接着剤がはみ出してしまったけどまあいいや。
翌日、45シングルアンプにZENITH45を挿して動作を確認する。フィラメントの点火、プレート・グリッド・カソード電圧正常、オシロで波形観測、ハムバランサで残留ノイズが最低になるポイントをチェック、全て問題なし。
45シングルアンプをしばらく動作させてZENITH45に異臭が発生しないかどうか様子を見る。どうやら大丈夫みたい。放射温度計でガラス下部の温度を測ってみたら最高でも90℃くらいなので、120℃にはならなそう。
これで45を1本活かすことができた。良い子の皆さんに忠告。ルーズベースの修理で袴を外そうとは思わないこと。引き出し線を断線させてしまう恐れがある。それでもやりたいと思ったら、もう使えなくなっても良いタマで試してみること。