おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

4P1Lプッシュプルアンプ・完成

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4P1Lプッシュプルアンプが完成した。キックオフは2014年の1月だったから、それから1年半要したことになる。正確には1年の中断期間があったので、半年の開発期間を経ての完成だ。

 

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回路図を上記に示す。初段は2SK30Aの差動で2SC2752Kによるカスコードとなっている。出力段は4P1LによるAB級プッシュプルでKNFがかかっている。

 

+B電源は定電圧電源で構成されている。スクリーングリッドを定電圧化するのなら+Bを定電圧化してやろうと思ったのがきっかけだった。AB級プッシュプルだから、B級に移行して+Bの電流が増えても200mA弱までは安定して電圧供給ができるはず。

 

4P1Lは直熱管なので、フィラメント電源にはステレオで個々の4つが必要になる。1個の電源トランスでスマートに済ませるために、電源トランスを春日無線に特注した。

 

試作機は本番機の無塗装シャーシを使い、構成を同じにしたので上手くいった。ただ、試作機でフィラメントの赤熱が起きたので、+Bを10V下げ、スクリーングリッドにパラ発振止めの抵抗を入れた。この対策が果たして効いているかどうかはわからないし、組立上の何かが原因となったのかもしれない。

 

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諸特性を上記に示す。利得は13倍で6dBのオーバーオールNFBがかかっている。KNFは何dBなのか測定していないのでわからないが、おそらく数dBでオーバーオールNFBよりは少ない。詳細な特性はコチラをご参照。

 

KNFのみのDFは1.1で低いため、オーバーオールNFBをすこしかけて2.8としている。NFB量を増やすと微分補正コンデンサの値を増やす必要があり、このコンデンサは聴感に影響を与えるため、なるべく少なくなるようにオーバーオールNFB量を設定した。

 

今回もブツ撮りをしたので掲載する。塗装したシャーシをうっかり磨こうと思ったのが結果的に功を奏したのか、見栄えがするものになったと思う(自画自賛)。ただ光沢を出すと部屋の中にあるものが映り込むから撮影には気を使う。サイドウッドの切断面をもっと磨いておけば木目が綺麗だったのにと反省。

 

サイドウッドの代わりに黒のアクリル板でも良かったかもしれない。横から見た時にアクリル板だと光沢があるから。

 

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シャーシ内部。ユニバーサル基板を使っているから立ラグの手配線みたいはカッコよさは無い。でも、そう考える人は平ラグも使わないんじゃないかな。

 

基板への接続はピンヘッダとロングピンソケットを使っているが、振動が加わると抜けてしまうらしい。抜け防止用にカプトンテープを買って試してみるか。

 

最後に、私より耳の良い!?妻の試聴結果を記す。

・いいね!

・バランスもいいし、解像度もいいし

・ピアノの音、中音から上がきれいに鳴っていたし

・わりとさわやかな音質、ストレスがかからなくて気持ちいい

・圧迫感がない、ラクチン

・音量が上がっていないように聞こえるけど、実際は出てる

・音のキレがいいから聴いてて気持ちいい

・雑味がない

・オーケストラがバランスよく鳴っている

・(ジャズ)ウッドベースの音階がちゃんと取れる、いい感じに鳴っている

・うるさく感じないのがいいよね

 

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