おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6B4Gシングルアンプのリニューアル・特性測定と試聴

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このアンプの外観はいかにも古典的様相なのだが、数回の改造を経てサイボーグ化した。蒸気機関車をイメージしながら作ったが、現在は銀河鉄道999といった感じ?

 

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音や特性に不満があるので度々の改造となった。今回はA2級に対応して出力アップ、スケール感が向上したように思う。改造前の諸特性はコチラ

 

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諸特性を上記に示す。改造前の周波数特性は67KHz止まりだったのが94KHzまで伸びた。NFBは10dBから6.4〜6.5dBに減らしている。出力は3Wだったのが4.5Wに増えた。DFは4〜5とまずまずの値。

 

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周波数特性。両チャンネルとも良く揃っているし高域も伸びている。

 

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クロストーク特性。周波数が低くなるにつれて悪化しているのはOPTのU-808間の飛びつきと思われる。1cm程度しか離れていないので、もっと離せば良くなるのではないか。

 

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R→Lの数KHz以上で悪化している原因を調べたら、SP端子へ行く配線と入力のRCA端子が接近しているためだった。この配線をいじるとクロストーク量が増減した。

 

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配線をインシュロックタイで束ねて遠ざけたら上記のグラフになった。20Hz〜20KHzで-64dBを確保している。

 

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Lchの歪率特性。各周波数で歪率カーブがよく揃っている。歪率5%での出力は4.5Wだが、1KHz・10KHzでは5.0W出ている。

 

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Rchの歪率特性。各周波数で歪率カーブがよく揃っている。歪率5%での出力は4.5Wだが、1KHz・10KHzでは5.0W出ている。

 

特性評価はこれくらいで、試聴に移ろう。

 

駄耳の私による試聴では、

・繊細でボーカルが瑞々しい

・スケール感があり音のキレが良い

・改造前の音を久しく聴いていなかったが、劣る感じがしない という結果になった。このアンプは重いから1階実験室と3階試聴室を持って階段を登り降りするのが苦痛なんだよ。

 

私より耳の良い!?妻の試聴結果。

・ボーカルが聞きやすいね

・圧迫感が無くて気持ちいいね

・この前(4P1Lプッシュプルアンプ)のよりはウェット ・チェロの低音、音域が良く聞こえる

・ボーカルの人の声が肉声に近い感じ

・歯切れ良い

 

カスコード段に使用している6922に代えて6N2Pでも試聴してもらった。 ・すこしカラッとしている

・音に伸びがある

・ボーカルが飛び出てくる、訴えてくる

 

6922のほうが聴いて疲れないし、こっちのほうが良いという結果だった。

 

初段FET、三極管ないしトランジスタのカスコード、さらにトランジスタのエミッタフォロア、グリッド直結で出力管という構成のシングルアンプは4台製作したけれど、共通の音色を感じる。やはりそれが自分に合っているのだろう。それらの中では6B4Gシングルアンプの出力が一番大きく馬力があり、ふさわしい外観を持っていると思う。

 

このアンプの消費電力は80Wあり、真空管やカソード抵抗からの輻射熱で部屋が温まってしまう。気温が上がる季節にアンプから熱が伝わってくるのは嫌なので、秋が来るまで再び眠ることになるだろう。

 

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