おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

3B7パラシングルアンプ・バラック組み立て

両チャンネル分をバラックで組み立てる前に、フィラメント電源をDC-DCコンバータで供給してみようと考えた。

 

以前の拙ブログで実験をしたことがあるMCWI03-12S033を使用する。

 

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回路はこんな感じ。電源トランスは手持ちの東栄J1205を使用する。端子の0-6Vと6V-12V間を使い、それぞれ2回路に分けた。絶縁型のDC-DCだから分ける必要は無いんだけど、電流容量が足らない。

 

フィラメントのリプル・ノイズは2.5mVだった。C7及びC8にOSコンを使ったが、ノイズが素通りしてしまう。

 

フィラメント電源を1回路だけ組んだ時に、アンプに組み込んで残留ノイズがどうなるか確認した。フィラメント電源が1.5V電池の時の残留ノイズは1.8mVだった。フィラメント電源をDC-DCに変更したら4.4mVに増えた。DC-DCによるノイズの増加分は2.6mVとなり、ノイズが素通りしていることが裏付けられた。

 

フィラメントだけをDC-DCで点火している時には1.44V程度出ているのに、回路を動作させると1.35V程度に落ちてしまう。キルヒホッフの法則か何かだろうか? 不思議だけどR6と並列に150Ωを接続して8.1Ωとしたら1.4Vになったので良しとした。

 

夜に部屋の明かりを消して真っ暗にするとフィラメントが灯っているようすがわかる。でも+BのDC-DCを動作させてプレート電流が流れ始めるとオレンジ色が消え、わずかにプレート内が白っぽくなっているのがわかる。暗がりに目が慣れないとわからないほどの明るさだ。なんとも不思議なタマだね。

 

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もう1回路分のアンプ及びフィラメント電源を組み、Amazonダンボール上にバラックとして組み上げたところ。パーツは養生テープで仮固定。あくまでバラックだから良い子は真似しちゃダメよ。

 

動作の確認中に、前に組み上げたチャンネルの低域レベルが落ちていることに気づいた。プレート電流がどんどん減少していく。これってやっぱりエミ減だよな。

 

手持ちの8本を使ってグリッドバイアスと利得を調べたところ、グリッド〜カソード(4ピン)電圧が-0.6V前後で利得もバラバラだった。とりあえず利得の揃った2本で試聴してみることにした。

 

電源を入れると小さくピーッと鳴っている。ACアダプターのジャックを外すとすぐ止まることから+B電源のDC-DCノイズと推定。このDC-DCは試作品だからリプル・ノイズが多いやつなのだ。

 

オシロで確認したらノコギリ状の5KHzあたりのノイズが確認できたのでLCのコモンモードフィルタを追加した。結果は、アンプの残留ノイズは減らなかったがピー音は聞こえなくなった。

 

私の駄耳による試聴では、音量は出ているのにうるさく感じない、スケール感があり中高域の透明感はさすがに直熱管といった感じ。

 

どうもエミ減が心配で仕方がない。定格一杯に動作させていないけど3B7というタマは弱そうだ。出力を欲張るのはやめにして、5%歪みで1Wをめやすに+B電圧を下げることにする。

 

+B電圧を180Vまで下げて5%歪みで最低1W出るように調整。カソード電圧は16.4Vと17.0Vとなった。3B7の1ユニットあたり12.1mA〜12.5mAだ。プレート損失は1ユニット当り1.9Wで、最大プレート損失2.7Wの70%となった。

 

むかしB級プッシュプル用の6Z7Gというタマにグリッド電流を流して使ったらエミ減にしてしまった記憶がある。今回のようなA2級でも、出力が増えてグリッド電流が流れる状態で使用すると寿命を著しく縮めてしまうに違いない。

 

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バラックでの回路図を上記にようになった。エミ減をチェックするためしばらく聴き込んでみることにする。

 

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