おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6CH6/CV4055シングルアンプ・改造

6P1PをCV4055に換装するにはピン接続を変える必要がある。変更するところの配線とCRを取っ払って立ラグを増やした。

 

どうせ変更するからと、カソードに定電流回路とショートループのコンデンサを入れることにした。電流値を決めるためにオーディオアナライザで歪率を見ながらカソード抵抗の値を増減し、143Ωくらいをベストとした。電流値は35mAとなった。5%歪みでの出力は100Hzで2Wも出ている。

 

NJM317のOUT〜ADJ間の抵抗は1.25V/0.035=35.7Ωと計算できる。一番近い36Ωとした。

 

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CRフィッティング後の回路図を上記に示す。R4は220KΩに変更。

 

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改造後のシャーシ内部。見え難いがNJM317が2個あるのがわかるだろうか。消費電力は0.2Wに満たないのでヒートシンクを抱かせる必要はない。

 

ひととおりの特性を調べようと、周波数特性・クロストーク特性ときて消費電力を測定したところ、18W弱と異様に少ない。三結では26Wあったのに。

 

オーディオアナライザを接続すると残留ノイズが少なく0.15mVあたりを示している。歪率が低出力でも100%レンジになってしまう。入力を上げても出力は低い状態でクリップする。

 

明らかにおかしい。何が起きた?

 

電圧を測定する。+Bは270Vと高く、カソード電圧は11Vくらい。NJM317の36Ω抵抗両端電圧を測定すると低すぎる。どうやらNJM317が壊れてしまったようだ。それも2つとも。 NJM317と並列に抵抗を接続したら出力が正常に出ることを確認した。

 

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壊れたNJM317。これで壊れているんだよ。外観全く変化なし。

 

NJM317が壊れる条件としては、CV4055がヒートアップする前に+B電圧が上昇してカソード電圧がNJM317の最大定格である40Vを超えてしまうこと。+B電源は2.2MΩと94uFの並列回路への充電で電圧が上昇するが、非常にゆっくりしているので大丈夫のつもりだった。電源投入一発目で壊れるならともかく、数回のオンオフの後で破壊が起きてしまった。

 

考えられる対策としては、①定電流回路ではなく抵抗にする、②定電流回路と並列に高抵抗を入れる、③定電流回路と並列にツェナーダイオードを入れてクランプする、が考えられる。

 

今のところ③が最有力候補。