おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

SV811-10Aシングルアンプの構想

画像

SV811-10Aの拙記事を以前書いたけど、涼しくなってきたし何とか光らせてみたい。このタマ、データシートを見るとその使いづらさで萎えてしまうのだけど、せっかく買ったものだしこのまま死蔵させてしまうのは避けたい。

 

フィラメントは6.3V4A。DCDCは高周波ノイズで悩まされるし、出力電圧を6.3Vに改造する必要がある。とりあえずヒータートランスを購入しようかと確認するとノグチトランスのPM-126が4,540円(2015年10月現在)。かなり高価だね。

+B電圧は500Vを超えないようにしたい。あまり高いと、もしも感電した際に危険度が増す。高圧の経験がないからなおさらだ。

 

画像

とりあえずEp-Ip特性図にロードラインを引いてみた。それにはSV811-3シングル12Wモノラルアンプの製作を参考にさせて頂いた。

 

Eb=460V、Ip=70mAでRL=6.7KΩとなっているのはソフトンのRW-20を想定しているため。5KΩ:6Ωだから8Ωをつないだら6.7KΩ:8Ωとなる。この時のグリッド電圧は-20Vと読める。マイナスなんだ…。811Aとは全然違う。また、フルスイングするのに必要なグリッド電圧は-110V〜+70V。

 

A2級のドライブ方法としてはカソードフォロア、カソードチョーク、入力トランスなどが考えられる。まずはカソードフォロアで検討してみよう。

 

ドライブするタマは入手容易で比較的安価な6L6GCで考えた。

 

画像

カソードフォロアのロードラインを引いてみた。カソードフォロアはプレートフォロアの負荷抵抗がカソード側に来たものとして考えれば良い。何mA流せばよいのかわからないけど、エイヤーで20mAとした。グリッドが0V〜-20V〜-50Vに動くとプレート電圧は82V〜200V〜332V、カソード側に抵抗があるから、カソードの電位は-20Vを中心に-138V〜+112Vで動くことになる。

 

SV811-10Aのロードラインを使い切るにはグリッドが大体±90V以上振れれば良いから何とかドライブできていることになる。

 

画像

回路図は上記のようになった。KNFがかかっているのは、SV811-10Aのrpが2.5KΩと高く、DFが低くなることが予想されるため。

 

さて、180Vとか-144Vの電圧ってどうやって作れば良いのだろう?こんな変な電圧を作るのは難しい。しかも20mA流れるし。

 

画像

ロードラインをいろいろいじってEb=300V, Ip=20mA, Eg=-34V, RL=13KΩとしてみた。

 

画像

回路図は上記のようになった。±280Vの電圧なら前よりは作りやすいのではなかろうか。ところでカソード抵抗の発熱量は5.2W。ディレーティングを考えると20Wは必要だ。