おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

SV811-10Aシングルアンプ・回路図作成

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とりあえず机上検討で寄せ集めの回路図を作ってみた。以降、順を追って説明する。

 

電源トランスはノグチのPMC-150M、OPTは手持ちのKA-5070Sで評価することにした。KNFがKPFにならないように確認する必要がある。

 

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まずはじめにフィラメント電源から。PMC-150Mの6.3V3A巻線2つをSBDで両波整流し、CRフィルタを通す。SBDは秋月電子通商で1個100円のを選んだ。MBR3045FCTは45V30AでTO-220パッケージ。

 

2素子入りだから1個で間に合うが、仮にVFを0.6Vとすると、4A流れるので消費電力は2.4W、その倍で4.8Wになる。大きめのヒートシンクが必要となるので1素子だけ使い、2個使用することにした。

 

果たしてフィラメント電圧が6.3Vになるか、実際に確かめてみないとわからない。リプル電圧も測定する予定。

 

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初段の回路を上記に示す。2SK117と2SC3790によるカスコードで、電源電圧は255V。

 

LTspiceでシミュレーションしてみたら、出力電圧は最大247Vp-pでゲインは52.4dB(416.9倍)、周波数特性は-1dBで6.5Hz〜133.2KHzとなった。

 

本当にそうなるのかは実際に組んでみないとわからないけど、十分過ぎる特性だ。

 

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あ、そういえば2段増幅アンプでKNFとオーバーオールNFBは共用できないんだった。というか、上の回路の場合は2SK117のソースにNFBを戻せない。ならばゲートにNFBを戻せばいいか。ちょうど3.3KΩがあるし。もし発振したらその時に考えれば良いでしょう。

 

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6L6GCのグリッドバイアス回路。固定バイアスを採用。220KΩはVRの中点がもし浮いた場合、バイアスが浮くのを防ぐために入れた。

 

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電圧がどのように動くのかExcelで計算してみたのが上記の表。可変範囲は-30.8V〜-128.4Vで、VRの中点を22.5KΩ:77.5KΩにセットするとバイアス電圧が-54Vとなる。

 

6L6GCの固定バイアス時のグリッド抵抗は、データシートでは最大220KΩとなっているので、VRを回した時に220KΩ以内となるように設計した。

 

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ヘンなところにツェナーが入っているが、電源オン後6L6GCがヒートアップするまで6L6GCのカソード及びSV811-10Aのグリッドはマイナス数100Vに引かれてしまう。ツェナーを入れることで-181.2Vより低くならないようにクランプしている(ツェナーのVFは1.2V)。この時SV811-10Aはカットオフしているので信号出力は出ない。

 

6L6GCのH-K耐圧は±200Vなので、ヒーターをフローティングにしAC的にコンデンサでGNDに落とすようにした。ツェナーでクランプしているから直接GNDに落としてもH-K耐圧を超えないはずだが、検討不足で現状コンデンサでアースのままにしている。

 

また、SV811-10Aのグリッドに入っている10Ωはグリッド電流観察用で発振防止用ではない。

 

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+B・+B2・6.2V用の電源回路。1N4007の耐圧が不足するので2個直列にしている。他は手持ち部品を活用したのでちゃんとフィッティングされているとは言い難いが、とにかく動けばいいや。+B電圧が470Vより低く出た場合には47KΩ1/2Wの抵抗を調節する。

 

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+B1・-C用の電源回路。SV811-10Aのグリッド電流が流れるとどうなるのかわからない。場合によっては定電圧化することも考えている。

 

机上検討段階だから回路に不適切なところがあるかもしれないし、今後変更される可能性大。

 

とにかくアンプを軽くしたいのでモノアンプ構成、6L6GCのカソードフォロアとし、FETリプルフィルタでチョークコイルを使わないことにした。カソードフォロアがSV811-10Aのグリッド電流に耐えられない場合、回路を変更してもダメならカソードチョークを採用するかもしれないし、場合によっては入力トランスにするかもしれない。だんだん重くなるけど。