某掲示板でマジックアイ代用LEDの話題があった。電源トランス付きの場合はヒーター巻線から電源が取れるので、その回路はどうなるのか実験してみることにした。トランスレスラジオの場合はこちら。
スーパーラジオにおけるAVC電圧は離調時に約-1.0V、同調時には-2.5V以上となるようだ。-1.0VではLED消灯、-2.5Vではフル点灯となるようにチューニングしたい。
カットアンドトライは面倒なので、LTspiceでシミュレーションしてみた。
シミュレーション回路図を上記に示す。-1.0Vで消灯とするためにはFETにダイオードによる下駄を履かせれば良いと考えた。
R1は感度調整で、当初2.2MΩとしたが上手く行かず2.8MΩにしたら所望の動作が得られた。
シミュレーション結果を上記に示す。AVC電圧が-1.0Vの時にLED電流は0.1mA、-2.5Vの時に6.5mAとなった。
テキトウなFETやLEDを用いているので、実際にはR1とR4のフィッティングが必要だ。
電源は、6.3Vを半波整流してCRフィルタを通しただけだとLED消灯時には電圧が高くなりうっすらと点灯、LEDが点灯している時には電圧が下がってしまう。これでは困るので三端子レギュレータを使う。電圧は6Vとした。
実験用回路図を上記に示す。ヒータートランスを半波整流してC1のフィルタ後に三端子レギュレータNJM7806FAへ入る。6Vのレギュレータなら何でも良い。D2とD3-D5は整流用のダイオードなら何でも可。FETは2SJのものを使用する。パワーMOSFETだとしきい値電圧の高いものがあるので、データシートを見て最大-2V程度のを選べば良いと思う。
LEDのしきい値電圧(VT)は低いものから順に赤<緑<青<白で、私が使った赤のLED(L-7104ID)では1.8Vだった。明るさはLED毎に違うので、R4を調節して適当な電流値に設定する。
R5は感度調節用に入れたもので、私の場合は1.3MΩとなった。R1+R5=3.5MΩなので、3MΩまで抵抗を直列にし、半固定抵抗1MΩで調整すると良いと思う。1MΩ〜10MΩの抵抗は千石電商のココで扱っている。
実験回路は平ラグで組んだ。平ラグパターンを上記に示す。
実際に組んだところ。
AVC電圧とLED電流をグラフで示す。AVC電圧が-1Vの時に0.3mA、-3Vの時に最大電流6.8mAとなった。
拙ロクタル管ラジオの回路図を上記に示す。AVC電圧は赤のところ(ボリュームの3番端子)から取り出すのが良いみたい。
ロクタル管ラジオでマジックアイ代用LEDを動作させている様子をYouTubeにアップしてみた。DMM(デジタルマルチメータ)はAVC電圧を表示している。
ヒータートランスに東栄のJ6305(6.3V0.5A)を使ってもパーツ代は1,100円位に収まると思う。これくらいならマジックアイの代用としても安価で良いのではないだろうか。
なお、FETに2SJタイプを用いているのでマイナス電源で電圧供給したら良いのではないかと考えたのだが、シミュレーションではFETがしきい値を超えるとオンとなり、LEDがいきなりフル点灯となるので点灯が段階的に表示できなかった。マジックアイの代用なのだから電波の強さがLED点灯の明るさでわかったほうが良いと思う。