おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

トランス式USBDAC設計の要点

私の拙い経験を元に、トランス式USBDAC設計の要点を思いつくまま並べてみた。

 

DACには秋月のキット、AKI.DAC-U2704を使うものとする。 まず、1KHz/5KHz/10KHzのAC電圧を正確に測定できる計測器を持っているかどうか?(一般的なデジタルマルチメータが測定できるのは1KHzくらいまでのようだ。)

 

持っていない場合は、Webでの実例を元に、そっくりそのまま製作する。インダクタは頒布で入手する。持っている場合は今回の要点が役に立つかもしれない。

 

トランス式USBDACの製作にはまずマッチングトランスの入手が最優先課題となる。どんなマッチングトランスを入手したかで設計が変わってくる。

 

出力電圧は600Ω:600Ωで約0.5V、150Ω:600Ωで約1V、600Ω:10KΩで約2V。クラシックなどの通常出力レベルが低いジャンルの音楽を聴く場合は2V必要となり、メインアンプの利得が多い場合は1V〜2V、0dBFSバリバリの音楽を聴くのなら0.5Vでも大丈夫だろうと思うけど。

 

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マッチングトランスの結線図を上記に示す。インピーダンスによって出力電圧が変わってくる。

 

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トランス式USBDACの1回路図を上記に示す。 トランスの1次インピーダンスが600Ωより低い場合(150Ωとか)、C5・C6を1000uF程度に増やす必要がある。また、出力電圧ダウンを少しでも避けるためにR6・R7を22Ω程度に増やす。

 

次はLCフィルタの値の選定。

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表の周波数欄が共振周波数となり、30KHzあたりに設定するのが良いようだ。インダクタのインダクタンスを増やすと残留ノイズが減り歪率特性が良くなるが、高域でのレベル低下が大きくなり、高域の小ピークが減ってマッチングトランス1次側に入れている並列抵抗の値を大きくしなければならない。

 

本家では2.7mHと0.01uFが推奨されている。インダクタはある程度のインダクタンスがあったほうがDAC側からみた負荷が重くならず、歪率が良くなる。2.7mHは一般的には入手不可能だと思うが…。

 

千石電商で扱っている太陽誘電のLHL06NB(俗称アマガエル)が私の推奨するインダクタ。でも通販では10個単位でしか買えないので、1台しかUSBDACを作らないなら直接買ってほしい(すぐ欠品になる)。

 

トランス2次側負荷R12・R13(VR1は無視)

トランスの2次インピーダンスを10KΩとするなら12〜13KΩ、600Ωとするなら680Ω程度。出力にアンプの入力インピーダンスが並列になるので、すこし高めに設定する。

 

トランス1次負荷VR2・VR3

トランスの1次インピーダンスより大きめにとる。マッチングトランスにより最適値が異なるので一般解は無い。WaveGeneで1KHzのサイン波のレベルと5KHz/10KHzのレベルをAC電圧計で測定し、ほぼ同じレベルとなるように調整する。L2・L3・C18・C19の誤差があるのでVR2・VR3の値が同じになるとは限らない。