おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

CH-3030Z

真空管アンプビルダーには見向きもされないかもしれないチョークコイルを真面目に測定するシリーズ(笑)。VT-62シングルアンプのカソードチョークとして採用予定の東栄変成器CH-3030Z。

 

カソードチョークは以前SV811-10Aシングルアンプでの代用として東栄のT-1200を試したことがある。DC重畳30mAでのインダクタンスは50Hzで16.9Hだった。案外カソードチョークのインダクタンスがあまり高くなくても周波数特性や歪率に悪影響を及ぼすことは無いみたいだ。たった一例だけど。

 

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CH-3030Zの仕様は30H30mA、DCRは890Ω±5%、サイズはW60mm×D34mm×H38mm、重量は170gとなっている。1個 1,037円(2016年1月現在、店頭にて購入)。

 

CH-3045Zより一回り小さく、重量は実測179gだった。

 

DCRをデジタルマルチメータで測定したら795Ωと791Ωだった。890Ωの-5%は845.5Ωだから仕様を満たしていない。というか、デジタルマルチメータでは正確に測れないのだろうか。

 

いつものようにインダクタンス・インピーダンス測定治具を用いて測定することにした。DC重畳電流はVT-62シングルアンプで使用する10mAに合わせたかったが、電流調整ボリュームを絞っても12.6mAより下がらないのでその値で測定した。この程度なら測定誤差の範囲だと思う。

 

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インダクタンスの測定結果。50Hzでのインダクタンスは32.7Hとなった。ちなみにCH-3045ZはDC重畳電流20mAで34.9Hだった。

 

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インピーダンスの測定結果。CH-3030Zのインピーダンスの山は250KΩでCH-3045Zの148KΩより高い。カソードチョークとして使った場合はインピーダンスが高いほうが有利だと思うがよくわからない。

 

カソードチョークで出力段グリッド直結の場合、チョークの一端をGNDとするとドライブ段の電流とチョークのDCRで出力段のバイアスが決まるのでドライブ段の電流をフィッティングする必要がある。VT-62シングルアンプの場合、ドライブ段のグリッドをマイナスバイアスとしているが、その値が調整範囲にあるかどうか確認しなければならない。

 

同じインダクタンスのチョークコイルとして、ノグチトランスならPMC-3030H、春日無線変圧器なら4B-20MAがある。東栄変成器のCH-3030Zが一番安いというのが採用理由だが、どれが一番音が良いかなんて当然わからない。