VT-62シングルアンプ本番機の特性を測定した。回路は試作機と変わらないから、特性が同じかどうかの確認となる。
諸特性を上記に示す。周波数特性は0.1Wでの値なので高低域のレベルが上がっている。左右チャンネルの高域-3dB点が揃わないのはOPTのバラツキによる。
試作機と変わったのは残留ノイズで、0.1mV程度低くなった。詳細は後述する。
周波数特性。高域のディップが試作機と左右逆になった。試作機のOPTを取り付ける時に間違って左右を逆にしてしまい、SG-205シングルアンプ・OPTへの誘導ハム実験での「ハの字」のようになった。本番機では「逆ハの字」の向きに取り付けたので電源トランスからの誘導ノイズが減り、残留ノイズが低くなったようだ。
クロストーク特性。ノイズフロアが下がったので20Hz〜20KHzでは-68dBを確保。
Lchの歪率特性。5%歪みでの出力は3.2Wだが、110Hzを除けば3.5W出ている。
Rchの歪率特性。Lchに比べRchのノイズが少ないために小出力での歪率が良い。 特性を調べた限りでは試作機とほぼ同じで問題ないことが確認された。
シャーシ前面の保護紙を外し、サイドパネルをボンドで固定、トランスの養生テープを剥がしたところ。これですっぴん状態になった。