VT-62シングルアンプの6DN7を6SN7GTBに挿し替えてみた。6DN7と6SN7GTBはピンコネが同じ。
ヒーターは6DN7が6.3V0.9Aなのに対し6SN7GTBは6.3V0.6Aと少なくなる。6SN7GTBの最大プレート電圧は450VなのでOK、最大プレート損失は片ユニット5.0W、両ユニットで7.5Wだが拙アンプでは2.9W+0.2W=3.1WなのでOKだ。
Ep-Ip特性図でEp=293V、Ip=10mAでのEg=-9Vと読めるので、グリッドをマイナスに引く必要はなく、うまくいけば-C電源が不要となるはず。
カソードフォロア段のバイアスを調整したらグリッド電圧0VでのVT-62プレート電流は27.8mAと27.0mAになった。28mAにするにはカソード抵抗を減らす必要があるけどこのままいくことにした。
回路図に実測した電圧を記載。
諸特性を調べてみた。結果を上記に示す。ドライブ段のrpの違いは特性に影響しないようで、ほぼ同じとなった。ちなみにデータシートでのEp=250Vのrpは6DN7が2KΩ、6SN7GTBが7.7KΩとなっている。
それならばと6SN7GTBと6DN7で比較試聴してみた。駄耳での試聴なので参考程度。
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6SN7GTB SYLVANIA
・静かな感じで音量が上がらず特に特徴がないようす
・適度にうるおいあり
・ボーカルの子音が強調される感じ
6DN7 General Electric
・繊細、透明感あり
・同じボリューム位置だが音量が大きく感じられスケール感がある
音場感、定位感は特に違いは感じられない
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結果は6DN7のほうに軍配が上がった。6SN7GTBは拙6SN7全段差動アンプに使用しているものなので、エージングはできている。初めから6SN7GTBで試作していたらこんなもんかと思っていたかもしれない。
残念ながら好みの違いで6DN7の代わりにはならなそうである。でも某店主に音の良い6SN7GTBはコレ!と言われたらつい買ってしまいそうな気がする。そして贔屓目に6SN7で試聴してこれはいい!と思うことだろう。で、よくよく冷静になって聴いてみるとどうも違うんでない?となるかもね。
なんでこんな記事を書いたのかというと、TUNG-SOLの6SN7GTBが茶ベースでVT-62と同じなので見栄えがするかな、と思ったんだよね。私は同じ型番の真空管で音色を聞き分ける耳を持っていないからSYLVANIAの6SN7GTBでダメならTUNG-SOLのも同様だと判断するしかない。
さすがに7,128円出して新品を2本購入する気にはなれないよ。