VT-62シングルアンプを小改造した。とはいっても回路的には変わらないので改造といえるかどうか。
VT-62のカソード抵抗は1KΩ2Wで酸化金属皮膜抵抗を使っている。カソードには28mA流れているので発熱量は0.78W。定格2Wの39%でディレーティングが取れていないのが気になっていた。抵抗はリード線を介しても放熱するので、直接つながっているハムバランサの中点に熱が伝わってしまう。
抵抗を3W型にすると0.78Wの26%となり、ディレーティングとしては妥当な値となる。私はディレーティングを25%程度と考えている。
ハムバランサの中点には5本のリード線が接続されているので抵抗を交換するのが面倒でそのままになっていたが、忘れないうちにやってしまおうと思った。
外した抵抗1KΩ2Wと交換する1KΩ3W。
交換作業中にVT-62のソケットピンからハムバランサへ行く配線を耐熱ワイヤに変更したりして時間がかかってしまったが交換完了。
回路図の変更箇所を赤枠で示す。
変更後に回路の電圧を測定した。結果は完成当初とほぼ同じだった。3月中旬に完成してから1ヶ月、ほぼ毎日稼働してきたがトラブルは無く、バイアスの変動や真空管の劣化も殆ど無かったようだ。ハムバランサも調節してみたが、動かす必要は無かった。
変更後のシャーシ内部。画像の左右下端が今回変更したところ。