6B4Gシングルアンプのリニューアルが完了した。フロントビューでは電源スイッチをロータリーからトグルスイッチ2個に、ボリュームレスとした。また、裏蓋を作成してゴム足を取り付けた。
裏蓋の無塗装のアルミ地がわずかに見えているが、リスニングポジションからは見えないので気にしないことにする。塗装するとシャーシの塗装とくっついてしまい、悲惨なことになるからだ。
これはリニューアル前の6B4Gシングルアンプ。もしこっちのほうがいいと言われたらショックだなあ。
回路図を上記に示す。C4とC5の電解コンデンサを増量し4700uFから6900uFとした。これはR15とR16を追加したことで電流が増え、フィラメント電圧が低下したのを補うため。これでハムバランサによるハムの最小ポイントが調整しやすくなった。
詳細な特性を測定した。回路はリニューアル前と基本的に変わらないので、特性が変わっていないかどうかの確認となる。
唯一変化したのはDFで、Lchは4.8→5.0、Rchは4.3→4.8に増えた。これはハムバランサにR15とR16が並列に入り、即ちAC的には6B4Gのrpへ直列に入るインピーダンスが低下したことによる。
周波数特性。LchとRchの特性が逆になった。これはOPTを取り付ける時に左右逆になったから。高域の減衰がベッセルというよりバターワース的でカクンと折れている。オシロで10KHzの矩形波を観測するとリンギングが見られる。
クロストーク特性。20Hz〜20KHzで-64dBを確保している。低域での悪化はOPTのU-808間の飛びつきで、OPT同士をすこし離せば良くなるがデザイン優先でそのままにしてある。
Lchの歪率特性。3本の線がよく揃っている。5%歪みでの出力は、110Hzを除けば5W出ている。
Rchの歪率特性。110HzがすこしずれているのはOPTの何かに起因しているものと思われる。というのは、歪率特性がLchとRchで入れ替わったから。
特性を調べた限りでは特に問題なしと判断する。
試聴してみたが、6B4G特有なのか高域にキラキラ感があって製作当初から共通する音色のようだ。今回のリニューアルに関し回路的には変わらないので、こちらの試聴結果をご参照。