おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

SG-205シングルアンプ・トラブル

配線チェックを行った後、真空管を挿して両チャンネルのカソードに2台のDMMを接続して電源を入れる。

 

初段の半固定はSG-205のグリッドが80V程度になるように合わせてあるはず。Rchのカソード電圧を110Vに調整。ところがLchのカソード電圧が170Vもあって半固定を調整しても下がらない!

 

SG-205に57mAも流れてしまっている。慌てて電源を落とす。

 

真空管をLchのみ抜いてグリッド電圧が80Vとなるように調整する。なぜだかわからないが調整できた。

 

オシロ・ミリボルトメータ・オシレータをつないで波形観測。Lchの利得が低い。Rchの大体2/3位しかない。また、残留ノイズが40〜50mVもあり、ハムバランサを調整しても変わらない。

 

SP端子をオシロで波形観測し、電源のリプルと同じ波形が出ていることがわかった。+Bのリプルも数10mVある。これは変だ。

 

左右チャンネルに同レベルの信号を入れ、グリッドの波形に差があるのを確かめた。SG-205ではなくアンプ部基板がおかしい。

 

Lchのアンプ部基板を外して確認したところ、2SC3790が壊れていた。原因はわからない。

 

壊れたTrを新品に交換してテストすると、左右チャンネルの波形が同じになった。

 

+Bのリプルが多いのは、リプルフィルタ2SK3067のソース・ドレイン間が単なる抵抗になってしまっているからだった。やはり原因はわからない。

 

壊れたFETをTK6A65Dに交換する。これは6A650Vのもの。2SK3067のVDSSは600Vだから壊れるはずはないのだが、何か異常が起きたに違いない。

 

FETとTrの交換で正常動作することを確認。利得は11.1倍、残留ノイズはハムバランサを調整して0.22mV位になった。

 

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壊れた2SC3790と2SK3067。2SC3790が壊れて2SK3067を道連れにしたとも考えにくい。初段の電源はTK3A60DAによる定電圧電源になっているからで、そちらが最初に壊れるだろう。

 

何しろ原因不明なので同様なことが今後起こるとも限らない。ただ壊れた2SC3790は片チャンネルだけなので、ハンダゴテの熱による破壊も考えられる。

 

+B電源が壊れている間は電源オンの+B電圧ディレイがかからないのでショートループのコンデンサ100uF450Vに過電圧がかかったはず。450V耐圧のところ480V程度だったのと短時間なので大丈夫だったのだろう。

 

短時間ではあったがSG-205に電流を流しすぎてしまった。壊れなくて良かったが、確実に寿命が縮んだに違いない。

 

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