机の上に6FJ7を置いて眺めていたら、無性にこれを使った真空管アンプを作りたくなり発作的に回路設計してみた。だから本当に作るかどうかはわからない。
手持ちに6FJ7が7本あるが、プッシュプルアンプを作ろうと思うとやっぱりCSPPかな、ということになる。するとOPTはASTR-20Sが最適だと思われるが、これは背が高くてチビの6FJ7とではデザインが合わない。
じゃあシングルアンプで設計してみるか。手持ちにノグチトランスのPMF-6WSがあるのでこれで考える。伏せ型の電源トランスとバンドカバー型のOPT、6FJ7が2本でミニアンプを組んだら良さそうな感じ。
電源トランスはヒーター6.3V0.9A×2、+B用に60mAくらいか。そこで同じノグチトランスのPMC-95Mをチョイス。このトランスは140V-120V-100V-0-100V-120V-140Vのタップが出ており、このどれかをブリッジ整流するといろんな電圧が得られる。但し電流は最大60mA。
6FJ7のSection2のEp-Ip特性図に7KΩのロードラインを引いてみた。動作点はEb=300V、Ip=25mAで電圧高めがマッチする。
フルスイングするとプレート電圧は125V〜300V〜475Vで123.8Vrms、OPTの変圧比は√(7KΩ:8Ω)=29.6:1だから2次側には4.18Vrmsが出てくる。8Ω負荷における出力は2.2Wとなり、OPTの損失を考えると出力は1.8Wくらいか。
電源トランスの+Bタップから1.25倍したDC電圧が得られるとすると、(300V+15V+8V)/1.25=258.4Vと算出される。PMC-95Mの120V-0-140V間をブリッジ整流すれば良い。なお、自己バイアスとしてEg=-15V、OPTの降圧を8Vと仮定。
初段は6DN7のSection1がμ=22.5と低いのでFETとのカスコードとした。
LTspiceでシミュレーションしてみると、初段の電流1.5mAで利得は44.1dB(160倍)となった。
無帰還でのトータルの利得を計算したら18.5倍となった。トランスの損失を考えると14.8倍くらい。
詳細な回路図を上記に示す。直結アンプにするとカソード抵抗の発熱が半端ないのでカップリングコンデンサを入れている。なお、FETリプルフィルタの出力インピーダンスは実測2Ω程度と低いので、初段のデカップリングは省いている。
これは以前の何かで画像を保存してあったもので、ブロック電解コンデンサ無しを想像してもらえば大体のデザインがわかると思う。