私が好きで集めているタマの中に6FJ7と6DN7がある。これはTV用の垂直発振出力管で、μの異なる三極管ユニットが2つ、1本の管の中に収められている。6FJ7と6DN7は特性が同一で形状が異なる。音はどうかな?
これは6FJ7で12ピンのコンパクトロン管。
これは6DN7でUS8ピンのGT管。コインベースのもあるんだね(左側の2本)。
ヒーターは共に6.3V0.9A。
ピン接続図を上記に示す。
標準動作例を上記に示す。Section1は電圧増幅用で6SN7GT相当、Section2は電力増幅用で相当管が何であるかわからない。
Section2はrpが高めだから無帰還ではDFが低くなってしまう。また垂直発振出力管にありがちだが、直線性が良くないのでシングルアンプでは歪率特性が良くない。でも私は拙VT-62シングルアンプのドライバに6DN7を使って好みの音質であることがわかった。
Section1のμが低いので、Section2との2段増幅にした場合には利得が低すぎる。私なら初段をFETとのカスコードにしてしまう。初段と出力段で歪みの打ち消しが可能だ。
これだけの本数が揃っているのでプッシュプルアンプを組んだらどうかなあ? 出力は3Wくらい出ると思う。ただ6FJ7は真空管の背が低いので、トランス類との釣り合いが取れないのが弱点だ。なお6DN7は次期45シングルアンプに採用予定。
6FJ7/6DN7似のタマには6CS7/6CM7等(ヒーター電圧違いを含まず)がある。また、Section2のrpが低いタマには6EW7/6DE7等(ヒーター電圧違いを含まず)がある。
Section1のμが高くSection2のrpが低いタマは6EM7/6EA7/6FD7/6DR7/6GF7A/6FM7/6FY7/6GL7等(ヒーター電圧違いを含まず)があるので、そちらを探して使ってみれば面白いと思う。
これらのタマはいわゆるオーディオ管ではないので安価なのが良い。人気も無いから市場には殆ど出てこない。