ヤフオクで3GK5を調達したので3HA5シングルアンプに差し替えてみることにした。特性的にはあまり違いはないが、ピンコネが違う。
グリッドとカソードのピンコネが逆になっている(1ピンと2ピン)。当初は変換ソケットを作って差し替えてみようと思っていたが、カソードの接続を1ピンから7ピンに変更し、発振防止用の1KΩ抵抗を1ピンから2ピンに接続し直せば良いことに気づいた。だからソケットではなく本体側の変更で対応することにした。
チビの3HA5に比べて3GK5は背が高いので余計に細く見える。
3GK5用の回路図を上記に示す。とはいってもタマを変更しただけ。本体の変更後に電圧を測定したが、3HA5の場合とほぼ一緒だった。
いつものように詳細な特性を調べてみた。利得が12倍から10.8倍に減少した。歪率5%での出力は100mWから180mWに増えた。周波数特性・DF・残留ノイズ・消費電力についてはほぼ同じだった。
周波数特性。利得が減ることによってNFB量も減少しているので高域の低下がすこし早くなっている。低域は入手した2本の3GK5の利得が揃っていたこともあり殆ど同じ。
ついでにクロストーク特性も測定。ほぼ同じ。
Lchの歪率特性。全体に低歪みになった。歪率5%での出力は105Hzがリミットして180mWだが、1KHz・10KHzでは250mW出ている。
Rchの歪率特性。Lchよりさらに低歪みだ。1KHz・10KHzでは250mW出ている。
3GK5のEp-Ip特性図を見ていて気づいたのはプレート電圧が高いほうまでグラフになっていること。現状の14KΩロードライン(赤)の動作点140Vでは2次歪みが大きい。3GK5の最高プレート電圧Ep maxは200Vなので、そのまま平行移動して青でのロードラインほうがバランスが取れる。この時のプレート損失は2Wで最大プレート損失の2.5W以内だ。
つまりプレート電流を変えずにプレート電圧を上げると歪率特性が良くなると思われる。現状の回路では+B電圧を大幅に上げるのは無理なので、例えば2号機を製作するとしたら+B電圧を156Vから220Vに上げると歪率特性を向上させることができるだろう。出力は歪率特性が良くなることで、5%歪みでの出力がすこし増えるはず。
というところで駄耳の私による試聴結果を書いておくと、差し替えた当初は低音ばかり出て中高音が控えめのなんだこりゃ?状態だったのが、そのまま試聴していると中高域が鮮明になり3HA5の時と区別できないくらいになった。特性が似ているし音色の傾向も同じようだ。