マルチテスター LCR-T4を入手した。Amazonで送料込み880円だった(2016年12月現在)。私はケース無しのを頼んだ。ちなみに1,500円〜2,160円くらい出せば並行輸入品を日本でも入手可能だ。早く欲しいとかアフターサービスが必要と思うならそちらを買ったほうが良い。
これは端子へ適当に素子を差し込めば自動的に何の素子か判断して測定値を表示してくれる。抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオード・トランジスタ・FET等が測定可能。
LCR-T4やMTesterで検索するといろんな情報が得られるので試してみてほしい。
発送から数えて28日(4週間)で届いた。中国って広いんだね。航空便だったけどどこで止まっていたのやら。2重のエアキャップに包まれていた。
裏側。CUSTOMS DECLARATIONって税関申告書だね。$3ってそんなに安いの?
基板は組み上がっているから006Pの電池をつなぐだけで動く。私はICクリップに配線をつないだものを3本用意した。
基板の裏側。右下に見える1〜3のどれかに素子を接続すれば良い。
ボタンを押すとこんな表示が出る。電池の電圧が表示される。
なにもつながないと数秒でこんな表示になる。
最初にセルフテストをやってみた。
セルフテスト
・0.1uF〜20uFの無極性コンデンサを1本用意。
・1,2,3をショートさせてボタンを押す。
・38%になったら"Pls Isolate Probe!"の文字が出るのでショートを外す。
・82%になったら"Insert the capacitor, 1-3 >100nF."の文字が出るので1-3間にコンデンサを接続する。
・100%になったら完了。
始めに抵抗を測定してみよう。1-3をショートさせて0Ωになることを確認。
100Ωの抵抗を測定。
いろんな抵抗を測定してみた。比較対象としてDMM(デジタルマルチメータ)CD800aでも測定した。10Ω以下では低めに測定されるみたい(グレーのところ)。CD800aでも表示がふらつくので不得意な領域なのだろう。
次は0.1uFのコンデンサ。ESRも測定される。
電解コンデンサではVlossという項目が出た。このVlossで検索をかけてみると引っかかってきたのはこのWebページだった。
Google翻訳に突っ込んでみたのを以下に示す。
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私は、誘電体の吸収による電圧損失を想定しています。誘電体の吸収はあなたの読みと同じパーセンテージで表されますが、0Vに放電された後にコンデンサが自己充電する元の電圧のパーセンテージです。 3%はアルミニウム電解質のためにかなり良い数(おそらくあまりにも良い)ですので、そこに少し混乱があります。
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誘電体吸収というのは一旦電圧をかけると0Vに放電した後にまた電圧が上がってくることを示す。電源のテストで放電させた後に電圧がまた上がることを経験した人がいると思う。
かけた電圧の何%まで復帰したかをパーセンテージで示しているものと思われるが値の算出方法は不明。
手当たり次第にコンデンサを測定したのが上記の表。LCR-T4の測定値はかなり正確のように思われる。絶対値を調べる手立てがないのであくまで推定だけど。CD800aは100uF以上の測定ができない。
フィルムコンデンサでもVlossが出ているから容量の大きいものには誘電体吸収が存在するのかもしれないけどそうなのかな?
0.47uF以下のESRが高いのは測定周波数が影響しているのかもしれない。フィルムコンデンサのESRはふつうこんなに高くない。また、CD800aは5000pF以下の容量測定では誤差が大きい。
ダイオードを測定。UfってVTのことだよね。
3.9Vのツェナーダイオードを測定してみた。おお、すごい!と思ってしまった。ツェナーダイオードの逆接続は単なるダイオードになるから。でも6Vのツェナーを測ったら単に1個のダイオードでしか表示されなかった。測定中にダイオードにかかる電圧は5Vくらいか。それ以上の電圧のツェナーは無理だ。
1.5mAの定電流ダイオード(CRD)を測定してみた。結果はご覧のとおり。つないでいない2-3間でのコンデンサになった。Idssは測れない、って当然か。
LEDを測定。測定中はLEDが点滅する。
2SC3425を測定するとNPNトランジスタの表示になる。
手で測定した2SC3425が4本あったのでhFEを比較してみた。かなり一致している。hFEで選別できそう。
2SC1815-Yを測定。Yランクは120〜240なので範囲内。
2SA1486を測定。PNPトランジスタの表示になった。Ufはマイナスで表示されないんだね。
2SK30AのYランクを測定。Nch J-FETの表示。IdとVgsが表示される。あれっ、ドレインとソースが逆になっちゃった。まあどっちでも構わないけど。
2SK117BLを10本、選別治具による手選別と、同時にLCR-T4で測定したVGSを表にしてみた。治具ではId=1.5mAで測定している。相関性が高い。LCR-T4でVGSの揃ったペアが選別できそうだ。
2SK3234を測定。N-E-MOSはN-channel Enhancement MOS Transistorの意味だと思う。破壊防止のダイオードもちゃんと表示される。
2SJ377を測定。P-E-MOSと表示された。Vtはマイナスじゃないんだ、って余計な突っ込みは無しか。
半固定抵抗を測定。ちゃんと2個の抵抗が表示された。2連ボリュームの偏差がこれでわかると思う。
インダクタ2.2mHを測定。インダクタンスと直流抵抗が表示される。
チョークコイルPMC-115Hを測定。仕様は1HでDCRが27Ω。なんでインダクタンスが2倍?
東栄のT-1200の0-7KΩ間を測定。インダクタンスが43.7Hと大きいのは重畳DC電流を流さないからだね。チョークコイルも重畳DC電流を流さないとインダクタンスの値が高めに出るのだろう。
インダクタはDC電流を流さない用途で測定に使えば良いと思う。
ピンヘッダでプローブ(とでも言うのか?)を作った。これなら装着が簡単だ。
というわけで、抵抗やコンデンサの測定、トランジスタやFETの選別、素子のGO-NO GO判定などには使えそうだ。
006Pの電池だと消耗が早いようなので、安定化電源を使って供給電圧を下げていったら4.3Vでも動作しているようだった。但し表示が薄くて読めない。試しに単4アルカリ電池4本でやってみたら十分動くことがわかった。後日単3ないし単4を4本入れられる電池ボックスを買ってこようと思う。
また、裸のままでは壊しそうなので、100円ショップでおかず入れあたりを探すつもり。 LCR-T4をケースに入れた記事はこちら。