EL32シングルアンプのリニューアルが完了した。前のを解体したのは今年の5月だったから、中断を挟んで結構時間がかかったことになる。
すでにEL32パラシングルアンプやEL32差動プッシュプルアンプを製作しているので、今回のは音質やデザインで見劣りしないものにしようと思った。
回路図を上記に示す。初段は2SK117で2SC2752によるカスコード、同じく2SC2752によるエミッタフォロア直結でEL32を振っている。EL32は三結とした。
諸特性を上記に示す。リニューアル前に比べ全ての項目で向上している。詳細な特性はこちらを参照。3結に近いUL接続から3結に変更したが、出力はリニューアル後のほうが増えている。とはいっても200mW程度だけど。詳細な特性はコチラを参照。
今回KA-5730をトランスケースに入れた。サイズはW66mm×D66mm×H90mm。製作過程はこちらを参照。
それではリニューアル後のアンプの外観をご披露。
電源トランスが大きめなのは容量に余裕があるためで、巻線の一部しか使っていないから。EL32は画像のST形状のものとGT形状のものがあり、大抵はカーボンスートされている。
シャーシはダークグレーマイカメタリックで塗装した。この色は落ち着いた感じで気に入っている。
シャーシのサイドは合わせ目を隠すためにいつもどおりアクリルパネルを貼り付けた。
電源トランスの後ろ側にデッドスペースがあるが、ブロック電解コンデンサを立てるお金が惜しいのでやめにした。
後ろから。グリッドキャップが真空管に比べて大きめなのでしっくりこない。しかも曲がって付いているし。キャップの金具を調節してみたけど直らなかった。Millenのにしようかな。でもアレすんごく高いからねえ。
シャーシ内部。黄色いテープが見えるのはコアの向きを示すため。電源トランスに対し逆ハの字にしたほうが誘導ハムが少ない。
じつは写真を撮った後で裏蓋を閉めようとしたらゴム足の固定ビス頭がセメント抵抗に干渉したので、抵抗の位置をずらしてある。
EL32の特徴は音色に艶やかさが感じられることだと思う。こういうのを英国の香りとでも言うのだろうか。繊細だし、奥行きのあるソースを再生するとちゃんと再生される。
出力は小さいが、この音を気に入ったら他のアンプは不要といっても過言ではない。だからデザインや作り込みには気合を入れて製作した。