特性の測定はそれで音がわかるわけではないが、故障時の現象確認でのリファレンスとなるし、何か問題があれば改善をするために行っている。今回は試作機と特性を比較し問題がないかどうかの確認をするのが目的となる。
諸特性を上記に示す。回路的には初段の負荷抵抗が54.5KΩ(100K//120K)から56KΩになっただけ。利得が14.7倍から14.9倍に増えたのはそのため。残留ノイズは50μV〜70μVだがヒーターハムが主原因。
周波数特性。試作機と同じ。高域は165KHzまで綺麗に減衰している。超低域にわずかなピークあり。これは出力段ショートループのコンデンサとOPTのインダクタンスによる共振。
クロストーク特性。6FJ7の出力段ユニットが正面を向くようにしたらL→RとR→Lが一致した。高域の悪化は、6FJ7の初段ユニットの他チャンネルの出力段ユニットからの飛びつきが主原因。20Hz〜20KHzでは-59dB以下を確保。
Lchの歪率特性。なぜか1W以上での歪率が試作機より良くなっている。初段負荷抵抗の変更によるものかと思い、56KΩに3.3KΩを直列に接続して歪率5%での出力を測ってみたのだが同じだった。タマをしばらく休ませておいたら回復したのかな?歪率5%での出力は100Hzを除いては2W出ている。
Rchの歪率特性。Lchと同様、歪率5%での出力は100Hzを除いては2W出ている。
歪率特性では100Hzが悪めに見えているが、それぞれ125mW/0.5W/1Wでの周波数歪率特性を測定してみた。一般的には歪率特性で100Hz/1KHz/10KHzの線が重なることが良いとされているようだが、コアサイズの小さいOPTでは大体数100Hzから歪率悪化の兆しが見えていることがわかる。
本番機の特性は試作機に比べて問題になる点は無かった。
サイドにアクリルパネルを貼り付け、マスキングテープで仮固定して試聴中。完成はもうすぐだ。