前回は+BにFETリプルフィルタを追加したわけなのだが、回路が複雑になるのがどうも気に入らなかった。そこでチョークを追加してリプルを減らしたらどうなるのか試してみることにした。
回路図を上記に示す。C21とC23は手持ちがあったので100uFとした。チョーク追加による電圧降下は2.4Vだった。+Bは347Vとなり、リプルは70mV前後と高め。
クロストーク特性。FETリプルフィルタで高域のクロストークが良くなっていたが、シングルチョークの時と同じような特性になった。20Hz〜20KHzでは-84dB以下となっている。
Lchの歪率特性。110Hzでも1KHzや10KHzと同じカーブを描いている。歪率5%での出力は37Wだった。
Rchの歪率特性。こちらも同じカーブを描いている。歪率5%での出力は35Wだった。 出力はシングルチョークに比べ2W程度低下したが、歪率特性は各周波数で良く揃っている。これならダブルチョークのほうが良さそう。
シャーシ内部。あちこちにチョークと電解コンデンサがあるが、本番機ではもっとまとめようと思う。 そろそろ試作機として完成レベルになってきているので、私より耳の良い!?妻に試聴してもらった。以下に言われたことを記す。
・カリンとした空気、ドライ
・中高音が硬い音
・スケール感がとてもある
・谷山さんの声が生音に近い
・真空管(5687WA)がカワイイ
・いつもより体力がある
・弦楽器が良い、粒立って聴こえる
・ソロのボーカルよりコーラスのほうが面白みがある
・体力がある分安心して聴ける
スケール感は駄耳の私でも強く感じるが、乾いた音色、硬い音というのはおそらくブートストラップによるものと思われる。カチッとした音色は打楽器や弦楽器に合っている感じ。現時点ではプレートチョークドライブの音色にアドバンテージを感じないが、今後の課題としておこう。