ブートストラップに改造した6550 CSPPアンプは110Hzの歪率が0.1%より下がらず1KHz・10KHzの歪率と乖離している。原因はおそらく+Bの残留リプルと思われる。
プレートチョーク版ではプレートチョークに行く電源にCRを入れてリプルを約1/10に減らすことで110Hzの歪率が改善したが、ブートストラップ版では電圧降下が大きくなり使えない。そこで思いついた方法でリプル低減を考えてみることにした。電圧降下やリプルの算出はLTspiceを使った。
現状の回路。+Bは350Vでリプルは約107mV。
チョークを1Hから3Hに変更(CH-1150→CH-3100Z)、C2を47uFから100uFに増量。+Bは344.7Vでリプルは約15mV。
1Hのチョークをダブルにし、C3を追加。+Bは347.6Vでリプルは約3.9mV。
FETリプルフィルタを追加。+Bは345.2Vでリプルは約3.4mV。
対策を表にまとめてみた。チョークのインダクタンスを増やしてもリプルを1/10に減らすことはできず、ダブルチョークかFETリプルフィルタが有効。コストはFETリプルフィルタが一番安くてリプル低減が大きい。
トランジスタリプルフィルタも検討してみたが、出力電圧がFETリプルフィルタに比べて1.5V高くなるだけなので微々たる差だった。
FETリプルフィルタが110Hzの歪率低減に効くのか、試してみるのには一番手軽で良さそう。