ブートストラップに改造した6550 CSPPアンプは110Hzの歪率が0.1%より下がらず1KHz・10KHzと乖離している。そこで+BにFETリプルフィルタを入れることで改善されるかどうか実験してみた。
追加したFETリプルフィルタの回路を上記に示す。10uFの電解コンデンサが無かったので3.3uFで代用。
FETリプルフィルタは3Pの平ラグに組んだ。FETは無信号時0.5Wの発熱だからヒートシンクは不要だが、最大出力試験時に壊れたら困るので小さいのを付けてある。
とりあえずLchだけでテスト。追加前の+Bのリプルは230mVrms、追加後は23mVrmsとなった。1/10に減少したことになる。FETリプルフィルタ挿入で+B電圧は4.6V低下し345Vとなった。
歪率特性を上記に示す。110Hzの歪率がグンと下がって1KHz・10KHzとほぼ一致した。5%歪みでの出力は追加前の39Wに対し37Wに低下した。
こちらはFETリプルフィルタ追加前の歪率特性。
やはり+Bの残留リプルが110Hzの歪率に影響していることが確かめられた。リプルフィルタ追加による出力減は2W程度。
回路的にはダブルチョークが出力の落ちが少ないと思われるし簡単。ただ費用的にはFETリプルフィルタが良いし、追加スペースも小さくて済む。