45シングルアンプの回路図を見ていて、そういえばVT-62を45に換えたんだったよなあ、出力管のμが低いのに利得の計算をしていなかったけど大丈夫かな?と思った。
出力段の利得は45のμ=3.5、rp=1.7KΩ、RL=5KΩとすると
μ×RL/(rp+RL) = 3.5*5K/(1.7K+5K)=2.6
初段カスコードの利得を158倍、6DN7カソードフォロアの利得を0.9とすると、OPTの変圧比は√(5KΩ:8Ω)=25:1なので裸利得は
158*0.9*2.6/25=14.79
OPTの損失を15%とすると
14.79*0.85=12.57
NFBを6dBかけると利得は
12.57/2=6.28
となった。私が製作するアンプの利得は10数倍〜20倍程度が多いので、これでは利得が低すぎる。初段系を変更しよう。
2SK30Aを2SK117に変更してみると、逆に利得が多すぎる。そこで初段の負荷抵抗を100KΩから68KΩに減らしてみたら、LTspiceでの初段の利得は399倍となった。
同様に計算してみる。裸利得はOPTの損失を考慮すると31.7倍となり、NFBを6dBかけると利得は15.9倍となった。まあこんな程度ならいいんじゃね?
変更後の回路図を上記に示す。J1を2SK117BLに、R3を68KΩに変更、発振防止にR17を追加した。
アンプ部の平ラグ基板はもう組み上がっているので修正する。選別治具で2SK117BLを選別中に数値が不安定となった。おそらく原因はICクリップの接触不良だと思われる。Id=1.8mAでのVgsが大体-0.36Vの2本のペアを選出。
ゲートの発振防止抵抗はFETの足に直接ハンダ付けしてある。これで変更完了。