6DJ8パラシングルアンプ試作機にNFBをかけてみることにし、ボリュームで値を探ったら2.7KΩで6dBとなることがわかった。手持ちの抵抗の関係で2.2KΩがあったので、すこしNFB量が多めになるがこれでやってみることにした。
NFB抵抗を付けた状態でダミーロードのオンオフ、ダミーロードに0.22uFフィルム並列、0.22uFフィルムのみで方形波観測するとリンギングは出るものの発振に至るようすは無い。簡易的には大丈夫みたい。
特性の測定結果を上記に示す。NFB量は7dB〜7.1dBになった。周波数特性の高域は-3dB点が57〜59KHzまで伸びた。DFは6.3まで増え、残留ノイズは0.11mVと0.06mVとなった。これくらいの残留ノイズならOKだろう。
無帰還での周波数特性。高域が凸凹しているがかなり伸びていることがわかる。
NFB後の周波数特性。Lchの105KHzピークが-2.2dBで危険なかんじ。Rchは120KHzピークが-5.0dBだった。
クロストーク特性。20Hz〜20KHzで-58dB以下となっている。この傾向は回路がほぼ同じである6HA5パラシングルアンプと一致している。
Lchの歪率特性。100Hzでも歪率の悪化が少ない。5%歪みでの出力は0.8W。0.5Wあたりから急に悪化しているのは6DJ8のカットオフによるもの(詳細は後述)。
Rchの歪率特性。5%歪みでの出力は0.8W。 特性を測定した結果は周波数特性の105KHz〜120KHzピークが気になる。位相余裕を調べたほうが良さそう。
前回はSP出力がかなり歪んだ状態だったので、1KHz 2.83Vrms(1W・8Ω)でのグリッド電流波形を撮ってみた。10:1プローブ使用でピークは2.8V、グリッド抵抗1KΩ両端の電圧なので6DJ8の1ユニット当たり2.8mA流れていることになる。
SP端子での出力1W(2.83Vrms・8Ω)のサイン波形。波形の下側はカットオフでなまっているのに対し、上側はグリッドを+に振ってもまだ余裕がある。
カットオフ側を伸ばすにはプレート電流を増やすくらいしかないが、Pp maxギリギリなので難しい。