おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

EL32シングルアンプに6AH4GTを挿してみる

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EL32シングルアンプを6AH4GTに差し替えてみようと思う。6AH4GTはシングルでも良い音がするらしい。一度聴いてみたいと思っていた。

 

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EL32と6AH4GTのピンコネを上記に示す。EL32はトップグリッド(G1)で、6V6GTとの差し替えを考慮し5ピンにグリッドの配線がしてある。6AH4GTはグリッドが1ピン、プレートが5ピンなので変換プラグを作成した。

 

でもよく考えてみると、1ピンにグリッドの配線、3ピンと5ピンにプレートの配線をしておけば差し替えることができる。

 

ただEL32はヒーター定格が6.3V0.2A、6AH4GTは6.3V0.75Aでかなり違う。トランスは1.5Aの容量があるので、EL32シングルアンプでヒーターに1Ωの抵抗を直列に入れていたのをショートした。

 

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変換プラグを作成。こういうのはソケットを上から見たり下から見たりでピン番号がわからなくなって混乱する。一応プラグやソケットには番号が振られているけど私は苦手だ。

 

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6AH4GTに差し替えて電圧を測定。動作点はEb=243V、Eg=-26V、Ip=26mAとなった。Pp=6.3Wで最大定格7.5Wの84%に収まっている。

 

オシロでサイン波形観測すると上下のクリップが同時に来るし、このままの定数でも問題ない。

 

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このタイプのUSプラグは一度差し込んでしまうと指に力が入らず抜きにくい。ソケットを半落とし込みにしているからシャーシとソケットが密着する。

 

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特性を調べてみた。残留ノイズは0.15mVでEL32の時と殆ど同じ。周波数特性はよりフラットになり、利得が増えた。NFBも1dB増えている。DFも1程度増えたのは6AH4GTのrpが低いためだろう。

 

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周波数特性。400KHzあたりにピークがある。

 

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ついでにクロストーク特性。20Hz〜20KHzでは-66dB以下。

 

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Lchの歪率特性。5%歪みでの出力は105Hzがリミットして1.8Wだが、1KHzでは2.4W出ている。

 

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Rchの歪率特性。全般的に悪めとなっておりEL32の歪率特性に似ている。5%歪みでの出力は105Hzがリミットして1.6Wだが、1KHzでは2.3W出ている。

 

駄耳の私による試聴結果はクリアでワイドレンジ、女性ボーカルに艶がある。これはゴキゲンサウンドだね。ちなみにEL32は優雅、6AH4GTはキレがあるといった感じ。

 

1ピンにグリッドの配線をしてそこからトップグリッドへの配線を引き出し、5ピンにプレートの配線をしておけば差し替え可能だ。ヒーター電圧はEL32と6AH4GTのどちらでも±5%に収まるような直列抵抗とすれば良い。

 

出力トランスは東栄のT-1200や春日のKA-5730、ノグチのPMF-5WSで、電源トランスはノグチのPMC-95Mで組めば良いと思う。でもEL32シングルアンプがあるのにそっくりのシングルアンプは必要ないかもしれない。