おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

TpAs-202版トランス式USBDAC・改造

NECマッチングトランス式USBDACで採用したLPFが思いのほか良かったので、TpAs-202版でも改造することにした。TpAs-202版はユニバーサル基板上にLPFを組んでおり改造が難しかった。

 

基板の配線を外しインダクタとコンデンサ、半固定抵抗を外した。バラックで周波数特性を見たら半固定抵抗が1KΩでは低すぎることがわかった。5KΩのが欲しかったが手持ちに無いので固定抵抗に変更した。

 

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改造後のケース内部。1次側に入れる抵抗が左右チャンネルで合わず、Lch 3.3KΩ、Rch 3.3K//3K=1.6KΩになっている。TpAs-202のバラツキのために周波数特性が異なるためと思われる。片方のインダクタが横を向いているのは高域クロストーク低減のため。

 

残留ノイズはLch 23μV、Rch 25μVだった。改造前は39μVだったからさらに低くなっている。

 

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Lchの周波数特性。0dB・1KHzのレベルは0.54Vで、改造前が0.51Vだったから、インダクタのDC抵抗(6.6Ω)が低くなったせいで出力電圧がすこし増えたものと思われる。15KHz以上が下がり気味なのは改造前と同じ。

 

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Rchの周波数特性。10KHz〜15KHzにかけて0.2dBほどの盛り上がりが残ってしまった。1次側の抵抗はミノムシクリップにボリュームを並列にして周波数特性がフラットになる値を探ったら3KΩだったのでそれを並列にしたが、ミノムシクリップの容量が無くなった分高域が持ち上がったものと思われる。半固定抵抗なら調節すれば済むが、固定抵抗なのでそのままとした。

 

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クロストーク特性。20KHzでも-60dBあるから十分。

 

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Lchの歪率特性。特性的には改造前と殆ど一緒。10KHzの歪率が高めだが、改造前と同じなので悪化しているわけではない。0dBFSでの歪率が急に悪化しているのはPC側のサウンドドライバMMEによる影響らしいので無視して構わないようだ。

 

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Rchの歪率特性。こちらも殆ど一緒。

 

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改造前後の回路図を上記に示す。 TpAs-202はインピーダンスを600Ω:600Ωとして使っているが、LPFは2.7mH+0.01uF//3.3K(1.6K)としても大丈夫なことがわかった。

 

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改造後の全体回路図を上記に示す。

 

駄耳による試聴結果は、TpAs-202版は影が薄いというか音質がすこし落ちるなあという感じだったのが他のトランス式USBDACに引けを取らないレベルまで良くなったみたい。見通しが良くスッキリした感じは他のトランス式USBDACと同じだが、やはりこのトランスの特徴だろうか、すこしおとなしい印象。

 

…と思ったのだが1日鳴らしていたら俄然やる気が出てきたようでスケール感あふれるサウンドとなった。慣らしが必要というか、なぜこうも印象が変わってくるのか。

 

TpAs-203版やTF-3版トランス式USBDACも同様に改造しようかと考えている。

 

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