当初の予定にはなかったがたまたま思いついたのでユニバーサル実験アンプに傍熱3極管の1626を挿してみることにした。これで12A6/12A6GT/12A6GTY/12W6GT/1626を試したことになる。ヒーター12.6V系はこんなところだが、6.3V系に範囲を広げるとさらに多くのタマを試すことができる。12L6GTもあるんだった。これは+B電圧を下げる必要があるので12.6V系の最後にやることにする。
こういうのをタマ転がしと呼んでいいのではなかろうか。300Bの取っ替え引っ替えよりずいぶんと安価にできる遊びだよね。一番好みのタマでシングルアンプを製作しようと考えているが、現時点では実験アンプだ。
それにしても差し替えるごとに特性をちまちま調べたりして、アスペルガー的性格のなせる技だと認識している。普通はこんなこと面倒でやらないでしょう。音を聞き分けるだけなら取っ替え引っ替えでできること。でもそれじゃ不十分だと考えた。
電圧を測定したので上記に示す。プレート電流は22mAなので1626の最大プレート損失5Wをすこし超えているが短時間の試聴だから気にしないことにする。
諸特性を上記に示す。1626のrpが高めでμが低いため、利得が減ってNFB量も減り、DFが下がった。
周波数特性。低域と高域の落ちがすこし早くなった。NFB量が減っていることも関係している。
Lchの歪率特性。100Hzが悪めなのはOPTによるもので、5%歪みでの1KHzの出力は1.5Wとなっている。
Rchの歪率特性。歪みの打ち消しがうまくいくとこんなふうになる。最低歪率は0.05%。5%歪みでの1KHzの出力は1.6Wとなっている。
3階に運び上げて試聴。軽いから片手で持って運べる。写真を撮ってみると45みたいに見えるのだがST-12の小さいタマだしカソードの赤熱がわかるので傍熱管であることがわかってしまう。
透明感あふれる音でも言うのかな。女性ボーカルのサシスセソや息を吸う音が耳につくのは1626の特徴か。おそらくこれが送信管の音なのだろう。1626にはどうも良い印象がなかったけど、どうやらちゃんとした鳴らし方ができていなかったようだ。すこし低音が軽い気がするがシャキッとした印象だ。