おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

トランス式USBDAC・TAM121115を試してみる

先日TAMURAのマッチングトランスTAM121115を入手したので、トランス式USBDACとして使うならどのようにチューニングすれば良いのか実験してみることにした。

 

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TAM121115はTpBのサイズで150Ω:600Ω。昇圧比は2倍程度と思われる。DCRを測ったら150Ω側が12.5Ω、600Ω側が51.4Ωと51.6Ωだった。

 

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実験回路を上記に示す。それぞれ1次側と2次側に半固定抵抗を入れ、スイッチで入り切りできるようにしてある。これは抵抗値を測定するため。

 

インダクタはBournsのRLB9012-272KLを使っている。実測2.72mHでDCRは7.0Ωだった。C18はフィルムで東信工業UPZ、実測9990pF。

 

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DACはTF-3版トランス式USBDACのものを使ったので、赤字で秋月DACと異なる点を示してある。

 

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バラックで組んだ実験回路。

 

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VR1は390Ω〜750Ωまで振ってみた。1KHz・5KHz・10KHzがフラットとなるようにVR2を調整した。なお330ΩではVR2を5KΩにしても高域が下がってしまったので省いた。

 

出力電圧はVR1を高くするほど減るが微々たる変化だった。100Hz0dBFSの歪率はVR1が高くなるほど低下した。でもあまり変化が無い。

 

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VR1が620Ω、VR2が2KΩでの周波数特性を測定。低域でレベルダウンが少ないのはコアボリュームや最大使用レベルに余裕があるからで、高域のレベルダウンが多め。おそらくLPFを1mH+0.039uFとかにすればレベルダウンは少なくなるだろう。

 

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同じ条件での歪率特性。100Hzや50Hzが悪めなのはDAC出力に対しマッチングトランスの負荷が重いためと思われる。インダクタと直列に10Ω程度の抵抗を入れれば良くなるかもしれないが出力は低下する。それでも0.1%を割っているから耳で聞いて判断できるかといったら無理だ。

 

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VR1=390Ω・VR2=4KΩの場合と、VR1=620Ω・VR2=2KΩの場合の周波数特性を比較してみた。結果は殆ど変わりがなかった。縦軸を伸ばしてあるのでご注意。

 

実際に組むとしたら例えばVR1を620Ωとし、VR2は5KΩの半固定抵抗として2KΩに調整、実際に聴いてみて高域が出すぎだったら抵抗値を下げ、足らないと感じたら抵抗値を上げれば良いと思う。

 

出力にボリュームを付ける場合は、例えば10KΩAボリュームと5KΩの半固定抵抗を並列にして2KΩに調整すればOKだ。

 

なおマッチングトランスやインダクタ、コンデンサにバラツキがあるのでVR2を調整して1KHz・5KHz・10KHzのレベルがフラットになるようにする必要があり、PC側にWaveGene、出力を測定するのにミリボルトメータが要る。

 

USBオーディオインターフェースがあればWaveGeneで周波数をスイープしながら出力し、WaveSpectraで周波数特性を描かせれば良いと思う。