PCL83シングルアンプが完成した。夏の暑い最中での製作なので、シャーシは塗装済みで裏蓋付きのお気楽なものにした。
超3結アンプでは電源トランスを交換しないと出力が出ないのでノーマル版に戻した。33kΩに間違えて3.3kΩを付けてしまい5極部のカソード電圧が100Vを超えていったのにあわてたが、原因がわかったので付け替えて難を逃れた(というのは大げさか?)。
シャーシはLEADのP-301、W230mm×D130mm×H60mmを使用。厚みがあるので下を黒で塗装してアクセントとし、そうとは感じ難いようにしてある。側面までやっても良かったのだが、リスニングポイントからは見えないので良しとした。
回路図を上記に示す。初段はFET-Trのカスコードで、PCL83の3極部ユニットによるカソードフォロア、5極部ユニットは3結にした。全段直結だが安定している。
諸特性を上記に示す。周波数特性は低域寄りで、OPTのT1200-Rは高域が伸びていないものの安定している。中身が同じT-1200のDC重畳20mAにおけるインダクタンスは18H。出力は1.1WでNFBを7dB弱かけて利得が20倍(26dB)となっている。残留ノイズは0.08mVと低く、DFは5.7となった。詳細な特性はこちら。
消費電力が23Wと少ないので夏場でも熱さを感じさせない。なお重量は2.9kgで、片手で電源トランスを掴んで運ぶことができる。
OPTはT-1200を合わせカバーにしたもので型番はT1200-Rとなっている。これをマットの黒で塗装した。
シャーシは塗装済みのため放熱穴を開けると無塗装の側面が見えてしまうが、案外気にならない。
見栄えのためにMT9ピンソケット(上付き)を2.5mm沈ませて取り付けているのですっきりしている。
電源トランスの上部カバーは解体したアンプでハンマーネット塗装してあったものをそのまま使った。
側面のシャーシの合わせ目を隠すのは面倒なのでやっていない。お気楽、お気楽。
後ろから見たところ。その1
後ろから見たところ。その2
裏側。放熱のために穴を開けている。
裏蓋の裏側は薄い水色をしているが塗装なのかそれとも別の何かなのか。
シャーシ内部。シャーシアースポイントはRCA端子のそばで、立ラグを取り付けてGND配線を集めている。
反対側から見たところ。信号ショートループの電解コンデンサは東信工業の100uF400Vを取り付けていたが、すこし背の低いニチコンの100uF350Vに交換した。でもやはり半固定抵抗(青いやつ)が干渉したので斜めにしている。銅箔テープはL→Rのクロストーク対策。
試聴結果はPCL83の素性の良さのためかクリアでハイファイ調、スケール感があり、ニアフィールドで聴く環境には良いアンプとなっている。他のアンプと比べて聴けば足らない何かがあると感じさせるのだろうけど、単体で聴くぶんには十分満足できる。
試聴結果が思いのほか良かったので小型のシャーシに組み直そうかと考えたのだが適当なものがない。(株)奥澤のO-27、W250mm×D150mm×H40mmにゆったり組むかO-47、W230mm×D140mm×H50mmならシャーシの高さが10mm減る。もっと探せば良さそうなものが見つかるかもしれない。