PCL83シングルアンプの特性評価で気になった点を小変更した。L→Rの高域クロストーク削減、NFB量をすこし増やしてみる、左右チャンネルの利得を揃えるの3点。
回路図のR9を2.7kΩから2.4kΩに変更。C3は付けていない。
再び諸特性を測定。NFB量は6.8〜6.9dBとなった。4本のPCL83を差し替えて利得は19.6〜19.8倍で、まあこの程度なら問題なし。消費電力は23Wなので、夏場でも発熱を気にせず使うことができる。
周波数特性。高域がわずかに持ち上がったが殆ど一緒。20kHzで-1dBだからいいんでないかい。
L→Rの高域クロストーク対策でLchのプレート配線に銅箔テープを貼った。
クロストーク特性。L→Rの高域クロストークは減ったがR→Lと同じレベルにはならなかった。20Hz〜20kHzでは-74dB以下となっている。
Lchの歪率特性。NFB量の増加でわずかに低歪みになったが殆んど一緒。
Lchの歪率特性。こちらも同様。
試聴してみた。なんかもう初っ端から良い音が出ている。PCL83の素性の良さを見たような気がする。あくまでクリアでハイファイ調。スケール感も十分。拙PCL83 CSPPアンプより良いかも。出力は6Wと1Wだから音量を上げれば違ってくると思うけど、ニアフィールド環境なら実力を発揮する。
歪率特性からしてそうだけど、2次歪みが多いせいか拙6AH4GTパラシングルアンプに音の傾向が似ているようだ。
お手軽製作でこんな音(自分好みの音)が出てしまうと直熱3極管に大枚叩いて至高のアンプをめざすのは意味ないような気がする。