おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

45シングルアンプ2号機・小改造

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45シングルアンプ2号機は1号機に比べ実力を発揮していないのではという思いがあった。音色がなんとなく穏やかで1号機のようなクリアさがない。拙71Aパラシングルアンプで71Aのカソード〜+B間に入っている、信号ショートループと呼んでいるコンデンサを通常のカソードバイパスへ変更したら音色が好みに変化したことから、同様の改造を行うことにした。

 

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改造する回路図を上記に示す。赤が変更したところ。C4を+BからGNDにつなぎ替えて容量を1000uFに増加。クロストークの悪化が予想されるので、初段へ行く電源にC13とR17によるデカップリングを入れた。

 

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改造後のシャーシ内部。真空管ソケットのところにデカップリングを追加、左右下に東信の音響用ハイグレード電解コンデンサ(銀色)を換装。

 

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改造後の電圧を赤字で示す。AC100Vが102Vあるため各部の電圧が高めだが問題なし。

 

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諸特性を上記に示す。周波数特性の超低域のレベルがわずかに低下。その他は変化なし。改造前の諸特性その他はココを参照。

 

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周波数特性。超低域のレベルがわずかに低下している。これは信号ショートループコンデンサキャパシタンスとOPTの1次インダクタンスによる共振が無くなったためと思われる。

 

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クロストーク特性。50Hz以下の超低域でクロストークの悪化がわずかに見られる。初段にデカップリングを入れた効果なのか、悪化は思ったより少なかった。20Hz〜20kHzでは-69dB以下となっている。

 

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Lchの歪率特性。改造前後で変化なし。1kHzにおける歪率5%での出力は3.1W。

 

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Rchの歪率特性。改造前後で変化なし。1kHzにおける歪率5%での出力は3.1W。

 

改造で特性上問題となる悪化は見られなかった。試聴したところ、中高域がクリアになったように感じ、効果があったように思われる。拙71Aパラシングルアンプとドライブ段〜出力段の回路形式が同じこともあり、音色が似ている。東信のコンデンサ1000uFのエージングでさらに実力を発揮するだろう。

 

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45シングルアンプ1号機と比較試聴してみると、1号機の半導体ドライブ、2号機のトランスドライブ(カソードチョークドライブ)の違いが音色の差となって現れているようだ。切れ込みの鋭さなら1号機、包容力なら2号機といったところで甲乙つけがたい。